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#グエムル 漢江の怪物 大画面で観る

ポン・ジュノ監督 2006年公開の韓国映画
金髪のソン・ガンホとジャージ姿のぺ・ドゥナが新鮮に見える

今週、前よりちょっと大きな4Kテレビを衝動買いして
小さなホームシアター気取りの私がまず最初に観たのが
グエムル 漢江の怪物だった

グエムル 漢江の怪物

苦手なジャンルの映画なのにとても惹かれて何度も観た記憶があった
何に惹かれたのか…記憶にないが
これをきっかけにポン・ジュノ監督とソン・ガンホの映画を観まくった

改めてグエムルを鑑賞、やはり面白い
約20年前の怪物は今見ても完成度が高いし
とても躍動感と迫力がある


ヒョンソを救おうとする家族の命懸けの戦いが
アベンジャーズのようなヒーローに見えてきて
バラバラだった家族はいつしか一つになりやつを倒しに集まる

ダメ親父のカンドゥが必死に娘を探す姿は時々滑稽で
アーチェリーの名選手ナムジュが泥だらけで怪物と対峙するシーンは
息を呑む美しさを感じるし
漢江の河岸を必死で走る姿を遠くの草むらから追いかけるカメラワークは
臨場感を膨らましとても気持ちがいい
パラサイトで土砂降りの雨の中長い階段を下っていくシーンを思い出した

怪物と戦っているはずの家族はいつの間にか
韓国社会や米軍からの迫害と戦っていた
他国ならまだしも自分の国から裏切られた絶望や
米軍人の描き方は大丈夫かと心配になる程悪意も感じる
映画の社会的背景についてはたくさん語られているので特に触れないが
この十年後米国のアカデミーを受賞するのは監督の意図なのか

ポン監督の映画はいつもソン・ガンホへの深い信頼と愛を感じる
まるで山田洋次と渥美清の関係のように
パニック映画でありながら、あちこちで吹き出しそうになる場面も
苦手な恐怖映画なのに何度見ても飽きない面白さのひとつで
主役は元より脇役の面々の絵力も見逃せない


ラストで店番をするカンドゥが川から何かが押し寄せてくるような錯覚を感じ
目を凝らす、しかしそれは気のせいで目を逸らし夕飯を食べる
その一瞬の表情…暗闇に何を観たのだろうかと不安を感じ
観ているものに答えのない問題を投げかけている…

定期的に観たくなる素晴らしい映画だ。


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