久しぶりの外出

久しぶりに外に出た。
 ずっと家に引きこもっていることに飽きてきたからだ。
 何もしない時間がこそ至高そんなふうに想っていても実際は外の刺激に当たりたい。
 そんな風な事も考えてしまう。
 淡々と過ごす日常の中で少しスパイスが足りないと感じてしまう。
 仕事も何もしていない自称フリーターの僕はお金も人脈も何もないがでも外に出ようと思ってしまうのだ。
 玄関の扉を開けて日にあたる。そして、晴天が僕を迎える。
 実際はそんな清々しいものではなく私が外に出る時は大体は曇りなのである。
 どちらかといえばじめっとしたような感覚だろか。
 でも、私は晴れより曇りの方が好きなのである。
 日が出てないから暑くないし、逆に涼しいくらいが丁度いい。
 晴れ男、雨女とか様々ななんちゃら人という言葉があるが私は曇り男なのだろう。
 そんなことを、外に出るたび思ってしまう。
 たまには外に出て太陽に当たって日向ぼっこでもしたいものだ。
 そんなことを考えながら近くの公園へまったりと散歩する。
 都会にいる子は近くにあるカフェやショッピングモールへ行くのだろう。
 そこで友達と談笑をし日々のことを話し合うのだろう。
 そんな事は私には関係ない。
 なぜならお金はないからだ。
 常に金欠なのだからどうしようもないだろう。
 だから私は公園へ行く。
 公園はいい。
 お金は掛からないし人々は自由な時間を繰り返すため人目も気にならない。
 しがないフリーターの居場所としてはぴったりなのだ。
 緑の木々の木陰は涼しく生物の声が耳に届く。
 ちゅんちゅん、ヒュールルル、ホウホウホホウ。
 風吹くたび木々やも会話する。
 ざーささー、ピューゥ、サー
 この時間私は目を閉じる。
 頭の中で森の中を想像する。
 もしかしたら側から見たらおかしな人かもそんな事も考えてしまう。
 でも、どうでもいい。
 みんな自由に過ごしているのだから、私も自由に過ごしているのだ。
 誰になんと言われようとも、それは私だけの特別な時間。
 私はそんな時間を大切にしている。
 家に引きこもっている時には味わえない新鮮な時間だから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?