隠した気持ちは闇の中

伸ばした手はきっと誰にも届かない。
僕は、独りぼっち。
誰かと笑い合う日常や、
誰かと喧嘩する事や
異性と手を繋いで一緒に帰る。
そんな青春は僕にはない。
一人でいることは実際嫌いではない。
けどたまに、寂しくなる時が来る。
なんで僕は一人なのだろうって。
それは君が人と関わろうとしないから。
と自分が僕を刺す。
自分は自分に囚われ呪われていると悟る。
羨ましいなんて事はすごく思う。
僕もあんな風になれたらって。
キラキラ輝いて誰かと関われて幸せそうだって。
人間付き合いの上手い人は羨ましい。
僕は不器用だから。
誰もいない日常が当たり前だったから。
僕は一人に慣れ過ぎてしまった。
暇な時間があればゲームや料理、たまに街へ足を運んだり。
一人だから自由に時間を使うことができる。
たまに寄った公園の木下で風に吹かれながらカバンを枕に昼寝をしたり。
自然と一つになっているような気になったり。
遠くから聞こえる子供達の声に微笑ましい気持ちになったりする。
少し羨ましい。
一人だから猫のように気ままに過ごせる。
とても幸せなことのように思えない?
そう、幸せなこと。
自由奔放に生きていける。
幸せなこと。
きっと、そう。
自分に言い聞かせる。
日常で一人でいるのに飽きた僕は配信アプリをしていた。
暇な人が集まって適当に雑談してセリフ読んだり。
趣味に馳せる。
その時はすごく楽しかった。
顔を知らないから普通に話せる。
不器用ながらもみんなの話せるのか嬉しかった。
何一つ共通点のない人が一つの枠に集まってわいわい、がやがやとしょうもない話をしたりできる。
三、四年前すごく楽しい時間だった。
でもそれは、時間と共に自然と消滅する。
それはそうだ。
その時暇だった人たちが集まっただけ。
そのグループに拘束される事なんてない。
その人たちにはリアルがある。
他のネットの人と交流がある。
そう。人それぞれ暇ではない。
いつのまにか僕はまた一人になった。
また同じ。
まぁ、人と話す為に始めただけだからまたリスタートすれば良い。
けど、あの時間に嫉妬してしまう。
だから、僕はあの時間を忘れた。
忘れないと今辛いから。
辛くならないように。
自分を惨めに思わないように。
忘れてしまえば楽になれるから。
どうせネット。
どうせ配信アプリ。
どうせ実際に会う事がない人たちだ。
会うと約束してもどうせ会う事がない人達だ。
相手が言った。
君のおかげだよ、ありがとう。
僕は気持ちを隠す。
幸せになってね。おめでとう。あ、約束ごめんね。
そんな言葉はクソ喰らえ。
…本当はどう思ってるの?
あんな事になってるなんて知らなかった良かったって思う。
知っちゃったら会えるわけないじゃん。
自分が余計惨めになる。
…本当は?
会いたかったよ!
約束してたつもりだったよ!
素直に喜ぶ事なんて出来るわけないじゃん。
もういっそ嫌われてしまったら楽になれる。
でも、ネットの壁の向こうにいる人達に会ってみたかったよ。
カフェとかで何気ない会話をしてみたかったよ。
僕は馬鹿なんだよ。
自分を見繕って自分に嘘をついて。
八方美人を演じようとして。
今思うと本当にくだらない。
くだらない。
まぁ、どうせ終わった事。
気にしてもしょうがない。
他人は他人。
自分は自分。
今を生きないとね。
惰眠を貪り。
自由に昼寝したり。
誰にも予定を合わせる必要なんてない。
一人のいいところだ。
はぁ。
誰かに話して楽になりたい。
独りぼっちの僕は自分で消化するしかない。
消化しきれない感情はどうすればいいんだよ。
どこに向ければいいんだよ。
はぁ、もう疲れたかもしれない。
もう嫌だ…
手を伸ばしてもその先には何もない。
誰もいない。
掴むものすらない虚無。
この世界は僕には生きづらかったらしい。
一人ではどうしても太刀打ちなんかできなかったらしい。
さようなら…。
誰も知らないところで僕は僕の灯火を消す。
ごめん。
僕は頑張ったよ。
神よ次の未来はぼくに救済ください。

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