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CDは何故売れなくなったか?を考えたらすごく色々考えた。

今年最後のnoteはこのテーマ。少し前から自分自身も気になっていたテーマなのですが、あまり時間がなく、きちんと調べられていなかったので今回はこのテーマに関して書いていきたいと思います。まず、日本の音楽業界の推移、マーケットってどうなってるのということに関して。

音楽業界が縮小している原因は何?

これはよく言われていることかと思いますが、CDが売れなくなっていてサブスクの音楽サービスにシフトしているみたいな感じのことですね。でも、「本当かなー」とか思っていたけです。

なので色々ググってみました。

注目なのはこのグラフよく見てみると、サブスクの伸び以上に音楽全体の市場が急速に縮んでいるのがわかると思います。要するに音楽を聴かない人が増えている?ということなのか?という感じですね。

自分はここに関して人口が減っているからなのか?と思っていたんですけど人口の推移のグラフと比べてみると、あんまり関係ない気がします。

確かに人口は減少しているものの、音楽業界のシュリンクと比べるとそれほどのスピードで落ちてはいない。では何が起こったのか。この辺りを考えてみたいと思います。

2009年頃からシュリンクしている

2009年というとこんな時代でした。ヒットチャートはこんな感じ。
嵐、KAT-TUN、EXILE、ジャニーズとLDH系強い時代。ふむふむ。

ちなみに2006年は KAT-TUN、EXILE、など引き続きジャニーズ、LDH系
もいますが、ミスチル、ORANGERANGE、バンド系 avex系のアーティストも

もう少し前にさかのぼり2000になると。サザン、GLAY、モーニング娘。
ふむふむ。ここまでみた時点で少し気になることが出てきました。


歌番組の終了とネット利用者数の増加

うたばんっていつからいつまでやってたっけ?HEYHEYHEYは?
と思ったので調べてみました。

>『うたばん』(英:UTABAN)は、1996年10月15日から2010年3月23日まで、TBS系列で放送されていた音楽バラエティ番組。
(wikipediaから)
『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(ヘイ ヘイ ヘイ ミュージック・チャンプ)は、フジテレビ系列1994年10月17日から2012年12月17日まで放送されていた音楽バラエティ番組。(wikipediaから)

とのこと。なるほど、うたばんとか、HEYHEY終わってから結構音楽業界はシュリンクしている。歌番組が音楽業界に対して及ぼしていた影響は割と多かったのだということに気づく。

あと気になったのはインターネットの普及率、これの推移が気になりました。音楽とか聴くよりYouTubeとかみるようになったのでは?ということ。

ここは結構リンクしている気がする。ネットの利用率が増えていくのと、歌番組が終了している時期と音楽業界がシュリンクしていくタイミングが重なっている気がする。

音楽が売れなくなったのはサブスクに流れているんじゃなくて、そもそも娯楽の体験として、ネットとかに時間を奪われている可能性がある?そこに娯楽として音楽を楽しむことを演出していた、うたばんとか、HEYHEYHEYとかが終わったことが拍車をかけた?みたいな感じでしょうか。

じゃぁネット見ている人たちってどういうサービスというか、時間の使い方をしているんだろうと。調べてみました。

ネットを利用している人たちの時間の使い方

・SNS
・動画
・ゲーム
これらの行為に時間を使う人々が増えているということ。そして注目なのは30-50代の人たちも増えているということ。ここまで来てさらに気になったのが、こういう観点。

CD買うのは最新のカルチャーに興味がある若い人だけになってる?

これは2017年のデータ
もう少し前の2010年頃のデータだとこんな感じ

確かに若い人もCDを購入する率は高いですが30-50代あたりの人々も結構CDを購入していることがわかります。ここの世代の人たち(所得水準も高く、お金を自由に使える世代の人々)が音楽からネットでのSNS、ゲーム、動画などに時間をシフトしたことも原因の一つなのではないかと思いました。

実際にこういうデータもありました。

やはり30-50代あたりの人々の方が急速に音楽離れしてますね…
この世代は所得が高く、消費にお金も使いやすいのでここが離れてるってのは一つのシュリンクの原因かもしれないですね。

色々長々と書いてしまいましたが、要するにまとめると。
・CDが売れなくなったのはサブスク音楽サービスのせいというより
 ネットの利用率が増えて、YouTube、Twitter、ゲーム、アニメ、ドラマ
 などその他の余暇時間の過ごし方に時間を奪われている。
・20代だけでなく、30-50代の人口のボリュームゾーンの人たちが
 音楽から離れたということも結構大きそう

<結論・音楽業界はなぜシュリンクしたか?>
おそらく、音楽はかつてお茶の間で家族みんなで見て、この曲良いね、このアーティスト面白いね、など家族や友達の間で話題になることで、次の曲を楽しみにするなどの好循環が進んだ。両親が好きな曲を子供が好きになり、みたいな好循環が進んだんですけど、ネットが発達していって、自分の好きなタイミングで自分の好きなアーティストだけ聴けるようになったことで、こういう流れが少なくなってしまったことが大きなが流れとしてあるのではないかということ。

確かに若い世代に向けたコンテンツを用意するとネット利用率なんかは高いのでPVとかは短期的に伸びやすかったりするので、Z世代マーケティングとか最近話題になってますが、個人的に思うのは反応の良い世代だけをフォーカスしてコンテンツを作り続けていくと、こういう中長期的にカルチャーを育てていくみたいなことに対して色々課題も起きてしまうのではないかということを最近感じます。
実際にクリックやTwitterでシェアはされるかもしれないが、購入までされるか?とか、親や、友達、家族など含めてそのカルチャーが広がっていくか?みたいなことを考えないといけないのではないかと思うわけです。

このポイントをネットがどんどん発達している時代でもきちんとやっているのはアニメの世界だと思います。ネットと動画が相性が良いってのはあるかもですが、(でも、音楽もより気軽に聴けるようになったんだから、スタートラインは同じような気もします)鬼滅の刃とか、世代を超えて人気になったりするものを生み出し続けている。

本当に良いものを作ろうと思うと世代を超えてそれは必ず伝播する。なんか、こういう、じっくり時間をかけて本当に良いものを作ろうぜ。みたいな雰囲気を大事にしていくことも大事なんじゃないかなとそんな気がしました。


小室さんが最近こんな動画で語ってますが、すごくわかるなーという気がしました。最近は「時短」とか言って音楽を早送りするような文化もあるようですが笑、じっくりと音楽をみんなで感動して味わうというところから、何か手軽に消費して、はい次、みたいなものになってしまっているところもあるんじゃないかと思うわけです。

エンターテイメント業界が好きなものとして、この辺りの問題にも今後きちんと向き合って、日々、楽しいエンタメ業界になるように頑張っていきたいなと思いました。

さて本年もnote読んでいただきありがとうございました!
また次回もnoteにてお会いしましょう!
皆様良いお年を〜!


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