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介護実習【デイサービス】

高校2年になると介護実習が始まります。
1日デイサービスでの実習と、訪問介護実習です。

これは私が初めて実習に行ったときのお話です。

職員さんとの挨拶

まずは、朝職員さんと挨拶を行います。
皆さんとても爽やかな挨拶をしてくださり、緊張もありますが、ワクワクが強くありました。
学校でも色々と注意点は聞いていましたが、直接職員さんから注意点を伺います。
私の印象としては学校で言うほどの注意点はなかったですね。

そして、デイサービスなので、送迎の為、送迎車に乗りお迎えに。

送迎

それぞれのお宅に迎えに行き、そのたびに挨拶をします。
「初めまして、実習でお世話になります○○です。今日は一日よろしくお願い致します。」
皆さんとても優しく『よろしくね、頑張ってね』と答えてくださいました。
送迎車の中でも色々な方と会話をしつつ、施設へ到着。

ウエルカムティー

皆さんが到着すると、各テーブルにウエルカムティーとして、飲み物を配ります。私もお名前を伺いながら皆さんに配ります。
すると職員さんが『じゃあ、今のところやることないから、皆さんとお話ししててくれる?』とのことで、それぞれのテーブルで話すことに。

あるテーブルに行くと『今日は兄ちゃん何しに来たの?』とおばあさんが話しかけてくれました。「今日は施設でどのような事をするのか勉強に来たんです。色々と迷惑をかけるかもしれませんが、よろしくお願いします。」と挨拶。
おばあさんは『とても良い言い方だけど、ちょっと固いね。普段しゃべっているように話してごらんよ』とのこと。
学校では絶対にダメだと言われていたことでもあるので、一旦は理由を説明して断りましたが、『私が良いって言ってるからいいのよ。堅苦しい話し方は好きじゃないし。』とのことなので、タメ敬語くらいの話し方で話すことに。『まぁ、それくらいなら許すけど、もう少ししたらダチと話すくらいの感じできなよ?兄ちゃん普段そんな話し方絶対しないでしょ』と、心の中でダチって俺でも言わないけど、と思いながらも、何もかも見透かされているかのような気持ちになりました。

気まず・・・

そこからもレクリエーションなど色々とこなし、時間は15時。
おやつの時間。
職員さんから、『みんなと一緒に休憩していいよ』とのことで、私も休憩することに、すると先程のおばあさんが私を呼びます。
「ばあちゃんどうした?」(この時にはこの方に関してのみため口になってました(笑))
『兄ちゃんもここでゆっくりしな』とのことなので、横に座り皆さんと話していました。すると
『おい!お前兄ちゃんにもお茶とおやつ出しなよ』と職員さんに。
私は慌てて「いやいや、大丈夫だから、お茶も事務所にあるし、ありがとう、気持ちだけもらっておくから落ち着いて」と声を掛けるも、ばあちゃんは『いや、あいつは私よりも後に入ってきたくせに口の利き方も知らないから、これくらい厳しくしないと駄目なんだよ。早くおやつとお茶だせ!』
私はめっちゃ気まずい空気の中、職員さんが持ってきてくれたお茶とおやつを頂くことに(職員さんから『お願い、落ち着かせるために食べて』と言われました)

そこで、ばあちゃんに「あのさぁ、俺は今日会ったばかりでタメ口じゃん?俺は良くてあの人がダメなのってなんでなの?」と質問。
するとばあちゃんは『兄ちゃんもこれから、こういう仕事をするなら覚えておいた方が良いと思うけど、私たちはちゃんと職員の動きや態度を見てるの。兄ちゃんは来た時から一生懸命全員に話し掛けてるし、困ったばあさんにも、自分で考えて対応してたでしょ?(テレビが見えないと叫んでいたおばあさんがいたので、職員さんに許可をもらって、対応させてもらったのです)そういうのって物凄い大切だし、私達に真剣に向き合ってくれているっ伝わるんだよ。だからこそ兄ちゃんとは友達のように話したいと思うし、あいつ(職員さん)はまだ、私たちの事を理解しようとしてないからね。そんな奴の言うことは聞きたくないわけよ』とのことでした。

私はめちゃくちゃ感動しました。施設に通っている人が、そこまで見てくれていることもそうですが、敬語が全てではないという意見も驚きでした。
そして、帰りの送迎時には『兄ちゃん立派なヘルパーさんになりなよ。兄ちゃんなら大丈夫だし、兄ちゃんは変にかしこまらない方が、私達年寄りにはモテるよ』と激励の言葉をくれました。

私にとってこのデイサービスでの、経験はのちの介護人生にとっても大きな影響となるのでした。

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