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親と子の人生の始まり 

娘を出産後 退院した私は自分が産んだ子供に対し不思議な感覚を持った

あれ?ここに赤ちゃんがいる はて 私が産んだのか?

母親は出産の痛みを忘れるために 出産後特殊なホルモンが分泌されると聞いた

だからお母さんは痛い思いをして出産しても また子供が産めるそうだ

私は違った この人間は本当に自分が産んだのか? しばらく考えた

ここにいて泣いている小さな人間は 間違いなく私が産んだ赤ちゃんである

となると この一人の人間を育てなければならない

特殊なホルモンが分泌されたことで 新生児黄疸が出て可哀そうで泣いた母性の始まりも忘れてしまっていた

育てないといけないことは分かった

しかし 私の頭の中は 「せっかく看護師免許を取ったばかりなのに この子がいるから働けないじゃないか」

「せっかく看護学校の卒業旅行で沖縄に行くことが決まっていたのに この子がいるから行けなくなったじゃないか」

他のお母さんが聞けば なんてひどい母親だろうと思うだろう

この時から私はすでに自分が母親という自覚がなかったのである

では 何を考えていたのか… 「この小さな人間を育てることが私の今からの役目だ」

人生の中で母親と言う役目を演じ この子を育てていくという勉強だと思った

子供に対する愛情と言うよりは 1人の人間が 1人の人間を育てるミッションみたいな感じだ

子供に無償の愛情を持って育てる親との違いは 自分が親から愛情を受けてこなかったことに由来するのだと後から分かった

子供を子供だと思わず 1人の人間として育てていく 

こうして私の「子育て」というか「1人の人間育て」が始まった



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