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小説 のだくん2

のだくんは不登校になった。
これは職業ではないし、役職でもない。
趣味でも特技でもパーソナリティを満たすものでもない。
不登校の進学は、ニートである。まあ無職、家がなければホームレスである。
不登校になって得することは、学校に行かなくていいことだ。
しかしそのことで悩みも出てくる。
それは昼夜逆転と有り余る時間である。
夜型になると鬱に成りやすいし、自律神経もグチャグチャになる。常に朦朧としている。その中で自由を謳歌しなければならない。先輩のニートたちは、縛りがないので比較的自由度は高そうだが、不登校は違う。義務教育という縛りの中で、制約上は外に出れない。
周りの目も冷たい。
だから隠れて自由を謳歌しなければならない。
つまり妄想したり、ゲームしたり、テレビをみたり。現代人ならindoorが多いので、携帯とPCがあれば一日中暇はしないかもしれない。
しかし人間の不可解なこと、その一つが、飽きである。必ず飽きは現れる。そして興味、好奇心もその後現れる。
のだくんの場合は、小5からひきこもり中学生になる、12歳までの2年間だった。
つまり飽きがきたのが、中学入学の春だった。
そしてやっと面白いのだくんの一日は始まったのである。

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