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詩作56 カネゴンの隣で酒を飲む

ぼくは憂鬱だ。
そういう夜は酒を飲む。
アルコール依存症は否めない。
しかし酒に救われているのも事実である。
ふと視線を感じて振り返る。
そこにはカネゴンがいるのである。そうウルトラマンに出てくる怪獣のカネゴンである。嘘ではない。ここは福島の須賀川。円谷英吉の故郷であり、須賀川はウルトラマンの町なのだ。
だから剥製のカネゴンは目の前に存在している。そういえば子供の頃の夢はウルトラマン太郎になることだった。ヒーローになりたかった。しかし今では怪獣になってしまった。
僕はカネゴンと意気投合して語り合う。
この町にはカネゴン以外の怪獣やウルトラマンの(太郎も含めて)剥製がいるが、僕は椅子に座っているカネゴンの隣で酒を飲む。

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