精密院試体験記 〜2024年度 東京大学大学院 工学系研究科 精密工学専攻入試(B日程、冬入試)〜



はじめに

 私は、外部生で東北大農学部と、しかも異分野から来た人です。普通の外部生より、口述試験の点数が低いと予想できるため難易度が高い挑戦だと思います🥹クレイジーです。
有機合成系 → 精密工学です。

 内部生で情報を知ってる人からすれば、面白いと思います💪いや、面白くさせる。無事に院試を乗り切ったので、体験記としてどんな院試勉強を行ったのか書いておきたいと思います。
 当ブログでは、試験対策や勉強量などは、はやた様(下の引用元参照)が公開しているため、私は夏入試との相違点に特化して書きました。

 また、専攻を簡単に変えたいと思ったわけではないので、入試志望度だけは、上位数%だと自負してます。口述試験の対策はガチで、印象が悪くならないように注意しました。

院試の結果

書類選考 配点不明
(おそらく、卒業研究などの小論文審査あり)

英語は、TOEFL換算 94点
                TOEIC換算 835点

口述試験 体感6割 
(一般教養レベルと専門レベルの質問をほぼ即答することが求められます)

 個人的に、口述試験の出来はまあまあだと言う印象があります。合格者の中では点数が低い方だと予想。
※点数開示され次第更新します。

合否:合格

配属先:川勝研究室

個人的には非常に満足しています。

入試を受けた段階での志望状態:


 専攻外で、テーマの何が向いているかわからない。とりあえず興味のあるテーマで志望を決めた。

勉強時間

2ヶ月ぐらい。+1ヶ月(最後の一ヶ月は怪しい)

私の入っていた研究室ですが、平日はコアタイムがあるため、余った朝の2時間ぐらいだけ活動しました。夜は、学校の研究をしてから寝てました。
土日も、サークルとかあるでしょう。自分は、1日そこまで勉強していませんでした😅

10月25日冬入試案内を受け、入試受験を決める

とりあえず、工学部の基礎の勉強をしようとし、夏入試の勉強をする。

数学の勉強
微分積分、線形代数、複素数など
物理の勉強
力学、(怖かったので、解析力学もやった)、
電磁気学

高校知識がある以外、ほぼ習ったことなかったけど、過去問は7割は完璧に答えられるよう解けるようにしました。💪


また、徐々に、勉強内容を元に、研究計画を書く作業をしていました。(書類試験突破者の発表が、1月で、1月の下旬に発表があるため、急ぎですね😅)

大体論文を引っ張ってきて読みました。英語も少しずつ読んでいきました。

分からないところは、ググったり、youtubeで勉強しました。材料力学や振動工学などですね

大体試験1週間前にはスライドが完成しました。

1週間ほど、発表練習→本番

※ぶっちゃけ免除されていたので、パンキョーの勉強はしなくてよかったですが、したからこそ研究計画をスムーズに立てれました。

感想: 


無事受かって、とても嬉しい。なぜ、不合格でなく、第一ではなく、かなり下の研究室になったかは不明である。しかし、蓋を開けてみれば、研究内容は、学部時代の知識が活かせる他、大いに興味があったものでした。恥ずかしい話、自分の一番あっている研究室に入ることができたと思います。

何のために書いたの?(ブログの目的と現状)

 そもそも、精密冬入試の情報がないorz
冬入試を受けた先輩方もいないので、ブログ見る以外ほぼ自力で勉強しました。学校の卒論発表と重なった(自分の場合は、3月上旬)ため、苦労しました。冬院試は普通に難しいです。後輩を励ましたいと思い書きました。
(※はっきりいいますが、夏入試の方が、精神的に楽だし、冬入試は倍率高い(3倍ぐらい)のでオススメしません。)

初期スペックの確認

夏入試、 東北大の農学部の専攻受けた→受かった
夏休み終了から専攻を変えたいと思った。
サボりぐせがあるため、大学院行くなら一番入ってよかったと思える日本一の設備で研究したいと思った。
ちょうど生産技術に興味があった。システムを管理することは普通におもろいと思った。放置のスマホゲームでよくある、工場を育てる「何とかFactory」っていうゲームあるじゃないですか。そのゲームをやっている楽しさに似てる。
生産技術系の職につきたいかと言われれば、別だが、少なくとも勉強をして世界をひろめたいとおもった。

英語

勉強してためになるのは、TOEFLです。ライティング、リスニングがネイティブレベルでかなり役に立ちます。
TOEFLは対策に沼るので、そんなにアピする目的じゃないなら、そこまで高得点はいらないでしょう。

数学、物理

2023年度の冬入試では、数学物理ともに免除されてました。教授方が忙しいのでしょう。しかし、来年度から、あるかもしれません。私は、募集要項が出るまで、普通に対策してました。

過去問は、数学7割、物理7割を完璧に取れるようにしました。
特に外部生は、口述試験の点数が、内部生より低い可能性大なので、勉強頑張りましょう💪
しかも試験科目は、パンキョーです。ラプラス変換とフーリエ変換の暗記が一番つらいですが、それぐらいです。

物理は、力学は、行ける。電磁気も基本問題が多い印象です。頑張って魂燃やそうぜ

書類選考に関して(英語など)

卒論内容の小論文(字数指定)と英語です。
おそらくここで落ちた人は5人ぐらいです。多分、小論文で落ちたのでしょう。ネットや本を参照して、ガチりましょう。


発表に関して

10分のスライド発表です。質疑応答も10分。

面接の前に、面接票があります。丁寧に書いた方がいいでしょう。

対策は、質疑応答のため、数学物理に関する広い知識が必要です。(一般教養+専門)

ここが肝です。そもそも、B日程は、内部生救済イベントです。外部生みたいな前まで知らない部族にいて、都会に出てきたマサイ族とは理由が違います。
今年は、36人受けて、14人受かりました。受かった人は、ほとんど内部生と考えていいでしょう😭

メンタルが大事です。ガンガン熱意。
当日は、そんでもって言わなきゃいけないメッセージと、研究計画の構成(他記事参照)を丁寧にスライドにまとめました。

第一志望の研究室に関係する論文は、15本読みました。スライドで使ったのは、約10本です。論文読んで、使えそうな箇所を自分のスライドに入れて、引用しました。

質疑応答に関して

専門知識に関する質問と基本的な質問に対して、返答をしました。

とりあえず、何も前例がなかったので、私は第一志望の研究室の教授と面接するにではないかと考え、ゴリゴリに第一志望の研究室のテーマを深堀りしました。

実際は、複数の教授からの質疑応答でした。学術応答は楽しかったですが、緊張しました😅また、質問は、複数の教授から来るため、網羅的に対策する必要があります。

つまり、冬入試では、何を質問されるかわからないので、一般教養の科目もある程度勉強した方がいいということです。
また、専門知識の質問ももちろんするので、論文も幅広く読まないといけません。(第一志望に関わらず)。
(僕は、教授に一般教養の勉強を行い、本気であることを必死に伝えたのですが、伝わったのか、真相はいかに、、🥹🥹)

研究室選びの軸(アドバイス)

 男女比気にしちゃいますよね。特に女子はその傾向が強いのではないかと思います。個人的な意見ですが、やりたい研究をやったほうがいいと思います。

 4年になってから、研究つまらんって思う人意外と多いです。そういうタイプの人にならない為にも、3年生までに、きちんと自分を分析したほうがいいです。人生における幸福度を考えたら、「自分の譲れない興味」を軸にして選んだほうがいいかと思います。
一番強烈なのは、人間関係を無視するやり方です。「もし、人間関係が変わっても、あなたは同じ研究したいと思いますか。」と考えるやり方ですね。オススメです💪

そもそもなぜお前専攻変えた?(必要情報は書いてないので、サラッと読みで問題ないかと。)

ポジティブな理由

小さいきっかけ

 一般教養で、spring8とかナノテラスの講演を聞いた。とても面白かった。あんな小さい世界でぴゅんぴゅんやってんのか。ワクワクすっぞ。ってなった。

大きいきっかけ

 4年で遊びで就活したら、機械系の職種紹介がすげー面白そう、かっこいいと思った。調べる内に、
光かっこよくねえか。
→X線かっこよ。先端研 スゴッ。
→なにこれ、精密工学全部楽しそう。
ってなりました。
興味別に志望度を決めました。

 最終的には、自分の期待通りのテーマの研究室に行けて良かったと考えております。もしかしたら、
教授が私を選んでくださったかもしれません。

ネガティブな理由


 入る学部間違えた説。
はい。これですねorz
 かと言って、東大や北大みたいに入ってから成績順で行きたい学部が限られるシステムもあまり好きじゃないので、難しい話です。
高校生当時は何となくで大学入っても面白くないだろって思ってました。「同じ目的意識」を持った、学部単位の大学がいいなと思いました。

 また、私は、健康オタクで、「世界の食文化、食品加工技術」が学びたかったんですね。直感的に農学部を信じた訳です笑笑。農学、農業ガチるなら、北大だろとか。米、りんご作るなら東北だろとか。色々ありますよね。農学部に入って過ごした大学生活は、目的通り「同じ目的意識」を持った共同体での生活だったので、ぶっちゃけ意識高い農業大好き民が多かったです。東北大の農学部は、実習も楽しいしめっちゃいいトコでしたよ。教育もいいし、一人ひとり相談できるし、留学生も多いオ🙂🙂
ただ、なんだろう。確かに、学べたものの、研究を考えて、「世界の食文化、食品加工技術」をメインでやってるのどこにもないんですよ。
まさに、リサーチ不足。行きたい研究室があるから学部決める人あんまいないじゃないっすか、アニキ。まさに、オラがその典型例っす。最終的には、外部院試というパターンになった人です。

 加工技術極めるなら、工学でいいじゃん。
→徐々に工学ヘノ興味の目覚め
→量子化学や、無機化学などどちらかというと自身の学部教育の中で物理よりな学問に興味を持つ
→研究室配属では、生体物理化学の研究室に所属できた。(第一希望)
→4年で研究室配属された当初は、よ~し頑張るぞと思って見たが、どうしても異分野への憧れが諦めきれず、夏休みを経て、外部院試を考えるように
 

研究室訪問


 

薬学部

(有機合成系1つ)(3年の後期で伺いました)


外部生は、あまり歓迎されなかった。有機は忙しい毎日なのだろうか。有機合成系の研究室は入試もむずいし、コアタイム長く、博士必須で忙しそうというのが印象。どちらにせよ、有機の研究に関しては、研究を始めると、あまり興味が持たなくなり、異分野の有機分野でも同じように興味が薄くなっていることに気づいた。

 

工学部(精密工学)

(先端研のところを1つ、10月に伺いました)



 単純にかっけー、新聞にも載ってんじゃんっていう研究室に突撃し、色々聞いた。研究生活や研究内容など。
研究室訪問を通じて、なぜ志望したかなど、志望動機の軸を自分で確立することができた。

院試に関して、勝手な提案(2/18追記)


第一希望の研究室に行けなかったクソ弱弱な僕の意見ですが、冬院試の試験形態に提案したいです。


今回の、冬入試ですが、夏入試より筆記試験が少ない分入試を受けた直後から、かなりメンタルが不安定でした。勉強をある程度やってきた身からすると、一次試験は、


①一般教養科目の簡易筆記

(数学、物理の問題1問ずつぐらいなど)


あるいは、


②博士課程の一次試験ような複数のキーワードから選びそこから小論文試験

(もう少し、今回の冬入試で行った卒業研究に関する小論文の形態から難化させる方法です)


を行ったほうがいいのではないでしょうか。

理由ですが、一次突破しただけで、自分は学力は、求められる水準を超えているんだとさらなる強い自信に繋がると考えたからです。


何卒検討をよろしくお願いいたします🙏

最後に


 ここに書いた情報が少しでもみなさんの力になれば幸いです!

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また、このnoteブログを書くにあたって、このブログは、ブログ構成、内容共に以下のブログをオマージュしております。https://note.com/m78hayata/n/n28e0cb3d55ae
この記事を3回ほど見て、メンタルを安定させていたため、はやた様、もし拝読しておりましたら、かなり嬉しいです。感謝申し上げます。


_________________(ネタバレ)_______________________

口述試験や2次試験に関して (詳細)



自分は、X線の性質を利用したミラーについて、攻めた研究計画を発表しました。ミラーについて何本も読んだのでバッチリでしたね💪💪

当日ミラーのこと聞いて来ると思ってましたが、予想外でした。

専門知識に関する質問は、4つだと思います。
最初は基礎で、徐々に応用について聞いてきます。
1番目の質問は、X線の基本的な原理 
←やべえ基本的だからこそ答えられん😭 バナナうまい😋

2番目の質問は、ミラーの構造
←これは、行けるぜー、スラスラ言えました。おそらく点数9割ぐらい

3番目は、X線ctに関して
←やべえよ、第二希望の人から質問きた。けど、盲点でサラッとしか読んでねえ。やべえ。知ってる単語を言う😭

4番目は、忘れちゃった😅

おい、ミラーの表面とか、精度聞いてこないんかい。チーン

その他の質問は単に基本的なもので終わりました

例えば、大学院生活の覚悟だったり、
卒業研究内容軽く教えてだったり
志望動機
などですね💪💪

合格発表は、めちゃくちゃ遅いです。2023年度は、2/15でした。メンタルもプルプルです。🥶🥶プルプルゼリー🐔

院試全体を通して

私の体感ですが、夏入試よりは入ること自体難しいでしょう。もし、不安でしたら、無難に夏入試を受けたほうがいいでしょう。全体的に、冬入試目当てで来ないほうがいいでしょう。夏入試(他の工学系や、情報系大学院)で落ちたからって、あやふやな理由で冬入試に挑戦するのは、危険だと思います。口述で落ちる可能性大です。

おおよその難易度感

冬入試としてはいい制度だと思いますが、
難易度は
メンタル>>面接対策>>小論文>学力の順です。
学力がないと、おそらく口述試験でバレます。どれも疎かにしてはいけないと思います💪

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