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表現を究める

題名:表現を究める
著者:ドミニク・チェン、川添愛、水野祐

知人に薦められて、こちらの本を読んでみた。
・「わかりあえないままでつながる」ための表現を模索している、
 情報学のドミニク・チェン先生
・難解な数学の理論や、言葉のやりとりの背景にある法則、
 コンピューターのしくみなどをおとぎ話に変える、
 言語学や言語処理の川添愛先生
・「新しい価値観を世の中に出すためのあり方」を自ら考え、研究する
 法律・ルール学の水野祐先生
著者の三人に共通しているのは、専門分野をどう表現するか?という部分に
特色を持っているという点だ。

どの先生の話も興味深く面白いが、気づきを一つ挙げるのであれば、
ドミニク・チェン先生の「わかりあえないままでつながる」世界を
自分も意識していきたいと思った。
『インターネット上の世界が「自分に似ている人たちだけの世界」に
 なっていく(中略)
 このままでは、あなたとはまるで違う誰かや、”わかりあえない人たち”と
 かかわり合う機会がどんどん減っていくでしょう。
 それを打ち破るには、自分たちで、自分たちの理想の場を
 「勝手につくる」「変えてしまう」発想が必要です。』

同じ立場や境遇で、同じ気持ちを共有するのは楽しい。
いつもと違う人に会ったり、いつもと違う場所に行くのは勇気がいるし、
億劫である。
子育て中だと子どもを遊ばせられる場所・行きやすい場所が限られるので
特にそういうことが多い気がする。
わかりあえない同士のコミュニケーションは負荷がかかるし、
慌ただしい毎日の中でそんな余裕はない、という気持ちもある。
だけど、予測不能な面白さはそんな中から生まれるんじゃないだろうか?
著者はそう、問いかけてくれている。

自分の普段の生活が表現活動だとしたら、
私はどんな表現をしていきたいだろうか。


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