フリーターという生き方の攻略術

働き方における世間一般の認識として「正社員であることこそが正しい」、「いい歳になってフリーターや派遣社員であることは情けない」というものが何となくあることはご存知かと思います。

僕は正社員3社(現在働いている会社を含む)、派遣社員1社、フリーター期間数ヶ月、という経歴があるので、今回はその経験や他者の意見を合わせて
・フリーターであることの良し悪し
・フリーターとして働く上での経済事情
・実際にしてみて、周りの人を見て、どう感じたか
という3点について掘り下げて攻略していきたいと思います

また今回の記事では
「正社員こそ正しく、フリーターとして働くことは必ずしも悪、ではない」
「学生や主婦の傍らとしてアルバイト(パート)をすることは、記事の内容として含まれていない」
ということを明記しておきます。あらかじめご了承頂けると幸いです

①フリーターであることの良し悪し
まず良いこととして取り上げられるのは時間の融通が比較的楽、ということでしょう
休みを指定すれば指定した日は休みに、好きな時に働いて好きな時に休む、ということも可能です
最近僕も使ったことがありますが、アプリで指定した日に好きな時間だけ働くというやり方も十分可能です。空いた時間を使って就職や資格の試験を受けたり、ご家族との時間を有意義にすることも出来るでしょう

次に良いこととして取り上げられるのは与えられる業務責任が低いということです
やりたくない仕事や人間関係が悪ければ勤務先を変えても何も問題ありません
売り上げ目標を達成出来なくてペナルティを受けることは、営業系バイトを選ばなければないでしょう。仮にあったとしても不満があれば簡単に辞めることが出来ます

そしてフリーターであることによるデメリットは上記のものに対する反論になります

まず一つとして、いくら融通がききやすいと言ってもある程度シフトを組まないと収入が目に見えて下がります。詳しいことは後述しますが、仮に1日8,000円で15日出勤したとしても約120,000円。ここから年金や税金、保険料など天引きされると目に見えて減ります
そしてシフトはこちらの自由だけではなく、雇用先の方にも決定権があります
急にシフトを減らされたり、逆に激務になったりと安定性が低い。本来メリットに見える時間の加減についても疑問が残ります

次に責任能力が低い、ということは逆を言えば「成長性が低い」ということも言えます
難しい仕事にチャレンジすることもないし、新たな資格を取ることもまずありません。仮にあったとしても資格費用は自費になります
また人間関係も常に下から、あってもバイトリーダーです
履歴書や職務経歴書に書いたところでその経歴を認めてもらえる会社は多くありません。そしてアルバイトとはいえあまりにも変えすぎると次を探すのも新しい仕事を覚えることも負担が大きいです

まだ他にもありますが良し悪しについてはここで一区切りします。次は経済事情についてみていきましょう

②フリーターとして働く上での経済事情

僕は現在広島に住んでおり、アルバイトの広告なども多数見かけます
概ねレジ打ち系や掃除のアルバイトであれば950円〜1,050円。居酒屋のような夜勤や辛い力仕事は1,100円〜1,300円ぐらいが平均でしょうか
僕はこの時給は決して安くないかと思いますが、このお給料をよく考慮してみますと「厚生年金ではなく国民年金」、「退職金やボーナスがない」、「昇給幅が非常に低い」という点が挙げられます

要は目で見て分かる金額だけではなく、将来的にもらえる金額が正社員に比べて著しく落ちるということが言えるでしょう
もちろん正社員と比較すれば交通費等の福利厚生もレベルが下がります

これらを補ってアルバイターとして働こうと思うと、途方もない労働時間や体力が必要になります。そしてその時間や体力を使ってフリーターを選ぶことに、何の意義を見出せるでしょうか?少なくとも僕は見出せません。
「正社員こそ正しい」という意見は、少なくとも金額的に考えれば一理あると言えるでしょう

③実際にしてみて、周りの人を見て、感じたこと

僕「30歳超えてあなたには奥さんもいます。しかしながら10年近くフリーターをしていますよね。」
「生活費だってそれなりの額が必要なのに、どうして正社員として働かないんですか?」
友人「僕は働くことを人生の重きに置いてない、妻や両親のサポーターとしていたい」

僕「でも、働く時間や日数で途方もない時間を使ってるじゃない」
「資格や面接はおろか、履歴書の一枚も書けないようなやり方で、何のサポーターが出来るの?」
友「・・・・・・」

これは僕と友人で実際にあった会話です

フリーターとして僕も数ヶ月働いた上で陥る感覚がありますが「将来性や経済事情についてどうでもよくなる」という感覚が湧きます

前職で毎日正社員として8年間働いても、数ヶ月フリーターをすると体が重くなったりやる気が失せます。将来のことは頭では分かっていても体がついてこなくなります。そしてそれは長引けば長引くほど悪影響が大きくなります

一般的に前職を辞めて転職期間を設けたとすると、最大でも半年以上の空白期間があれば8割の採用率が落ちます。実際には3ヶ月程度でもかなり落ちます
行きたい会社に内定を貰える確率が仮に10%だとして、フリーターである空白期間が長引けば2%以下になります
そうした極めて悪循環な数字を見た時に
「このままではいけない、何とかやり直さないといけない」
「どうせ今のままでも大丈夫、まだ働けるし何とかなる」
のどちらを選択するでしょうか?経験した上で言うと2番目の意見を選ぶ人が多い印象があります

30歳を超えると転職では「何をしてきたか」だけではなく「周りと協力してどうやってきたか」「経験を活かしてどんな働き方で貢献していくつもりなのか」という質問を答えないといけなくなります。もし答えることが出来なければ社会人としての目に見えないランクが下がります

正社員として働くことは確かに辛いです
ですが人間関係の構築、会議の席での意見の作り方、資格取得などのスキルアップ、キャリアや経済力の構成など辛さに見合った恩恵もあります
これらの恩恵と比較して責任感の少ない道を選ぶことを良しとするのであれば、フリーターとしての生き方も良いのかもしれません

以上、フリーターという生き方について攻略術という形で書き記してみました
この記事が何らかの形で読者の方のお役に立てれば、これ以上の幸せはありません

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