春キャベツの特徴は?冬キャベツとの「味の違い」に迫ってみた!
こんにちは!味香り戦略研究所です。
今回のテーマは「キャベツ」です!
みなさんはキャベツを使った料理といえば何を思い浮かべますか?
ロールキャベツやお味噌汁、炒め物など、ここでは書ききれないほどたくさんの料理にキャベツは使われています。
年間を通してスーパーで買うことのできるキャベツですが、出荷時期によって「春キャベツ」、「夏キャベツ」、「冬キャベツ」に大きく分けることができます。春キャベツは“春系キャベツ”、冬キャベツは“寒玉キャベツ”とも呼ばれます!
今の時期は鮮やかな緑でふわふわした葉が特徴的なかわいい(?)春キャベツが店頭に並んでいるのをよく見かけますね。
同じキャベツでも種類によって味は変わるのでしょうか?
一般的に春キャベツは葉が柔らかくてみずみずしい味わいが特徴で生食に適しており、一方で冬キャベツは葉が厚くて固くしまっているので加熱調理に適していると言われています。
イメージ的には、サラダにそのまま使われるのが春キャベツ、お好み焼きや煮物などに使われるのが冬キャベツということですね。
夏キャベツは春キャベツと冬キャベツの中間のような存在で、葉が厚めながらも柔らかく甘みがあるため生で食べても加熱して食べても美味です!
このようにキャベツは出荷される時期によって味わいが違うとされています!
今回の分析では春キャベツと冬キャベツをさらに産地によって分類し、全8種類を分析しました。そのうち6種類のキャベツの味わいをグラフにしてみました!
実際にキャベツは種類によってどのように味わいが変わるのか、早速見ていきましょう!
苦味とその余韻のバランス
まずは苦味とその余韻がどのくらい強いかをグラフにしてみました。
図を見てみると、「寒玉キャベツ」は「春系キャベツ」よりも苦味の余韻が強い傾向があることがわかりました。また、苦味についても千葉県産以外の寒玉キャベツは春系キャベツよりも強い傾向でした。
このように「春系キャベツ」は苦味が控えめで口の中にも残りにくいため生で食べても美味しく、「寒玉キャベツ」は苦味とその余韻が強い傾向にあるため生食よりも料理の材料として向いていると考えられます!
各キャベツの味バランス
上の図は春系キャベツ・寒玉キャベツそれぞれの平均の味バランスを示したものです。
グラフを見てみると、「春系キャベツ」は「寒玉キャベツ」よりもうまみが強く、渋味と苦味の余韻が控えめであることがわかりました。
春キャベツは葉が柔らかいだけでなく、野菜特有の苦味や渋味といった青っぽさのようなものが後味まで残らないことが生食に向いていると言われる理由の一つであると考えられます。
加熱による味バランスの変化
寒玉キャベツは加熱調理に向いていると言われますが、生の状態と加熱した状態で味のバランスはどのように変化するのでしょうか? こちらも実験してみました!
上の図は寒玉キャベツの生の状態と加熱した状態それぞれの味バランスを示したものです。
愛知県産の寒玉キャベツを例にとって結果を見ていきましょう!
「愛知県産_寒玉キャベツ」は加熱をすることで苦味の余韻が弱くなることがわかりました! これはキャベツの中に含まれていた“あく”や“えぐみ”といったものが溶け出したからだと考えられます。
また甘みが強くなっていますが、これは加熱することでキャベツの組織が柔らかくなり、食物繊維などの成分が溶け出したことによるのではないかと考えられます!
寒玉キャベツは加熱をすることで苦味の余韻が弱くなり、甘みが強くなるため加熱調理に向いていると言われているということが見えてきました!
まとめ
今回は主に春キャベツと冬キャベツに絞って味分析を行いました!
春キャベツは生で食べるのに向いていて、冬キャベツは苦味が特徴で加熱調理に向いていることがよくわかる結果でしたね。
次回もお楽しみに!