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過去の感覚を呼び覚ます媒体としての「写真」

どうも!音楽を作ったり、MIXエンジニアをしたり、グラフィックデザインをしたり、デジタルアート作品を作ったりしているタスケン(TASKEN|a.t.d.a.)です。

「写真」というものに惹かれて早20数年。最初は記念写真的な使い方から始め、徐々に作品という観点で写真を見るようになり、世の素晴らしい写真家に触れるにつれ、自分なりの表現方法としての写真を撮るようになりました。

一時期、真剣に作家として写真を撮りためていた時があったのですが、何だかこう、違うなと。ただアート作品として見られるように恣意的に写真を撮っている行為が自分にとってはつまらなく感じ、ただ写真を撮るということを一時期淡々と続けていました。

その時に撮った写真は大体1万枚以上あるのですが、たまに見返してみると、不思議とその時の感覚が蘇ってきたりします。

道端でなぜか座り込んでいるおじいちゃん 東京町田 RIcoh GR

カメラは主にRicoh GRを使ってました(今は壊れてない)。すごく軽いカメラで、機動も早く、スナップ写真を撮るには最適なカメラです。

近所のスーパーに行った帰り道。いつも通る道におじいちゃんが座り込んでいました。特に体調が悪い様子もなく、何だか鼻歌でも歌っているような明るい感じだったので、特に気にもとめなかったので素通りしたのを覚えてます。

かなり暖かい日で、天気も良く晴れた一日だったのですが、当時仕事関係でうまくいかず、ずっと悩んでいたせいか、暗い写真になってます。当時は、先が見えない状況に心が折れそうになり、淡々と毎日を何とか過ごしていたのを思い出します。

田園都市線 Ricoh GR

休日に妻とお出かけした時。まだコロナ前ですね。
写真を見ると、当時の電車の音、横にいる妻、シャッターを切る時の感覚など思い出します。妻との会話とかは思い出せないんですけどね。

屋台の食べ物を食べ散る女性達 東京町田 Ricoh GR

町田駅付近を通りかかった時の写真。何を食べてたのかは思い出せません。確かクレープ屋みたいなのがあったような・・・。人通りが多く、雑踏が好きではない僕は、雑踏を避けるようなルートで駅付近を歩いたりします。この頃は、写真の表現方法についてあれこれ考えていた時期ですね。寒い中、喫煙所に向かって急いでたのを思い出します。何者でもない自分について色々ともがいてた時期。

豹柄を着るご婦人 東京町田 Ricoh GR

当時、仕事がうまくいかなくて、夜勤のバイトしていた帰り。信号待ちするご婦人を何気なく撮影。僕は他人というものが不思議でしょうがなく、自分とは違う全く知らない存在の他人にとても興味があります。そして、この時なぜシャッターを押したのか。よくわかりません。そのよくわからないという事が自分にはとても楽しいものと思えるのです。この時は、やっと家に帰れる安堵感の中、片手にGRを持って歩いていました。町田街道を通る車の騒音などを思い出します。

無題 東京町田 Ricoh GR

こういう全く意味のわからない写真を撮ったりもします。光と影。その境目がくっきりしているのが好きで、何気に撮った写真。後で見返してみると何だか意味ありげにも見えてくる不思議。

コロナ前 東京町田 RIcoh GR

コロナ前の町田街道沿いにあるスーパー三和の開店前。土曜日の朝はいつもこんな感じでした。特にポイントデイの時はもっと人が並んでいることも。コロナ後では考えられないですね。

基本、高齢の方が多いのですが、若い人もいたり、何だかやたらおしゃれなお兄さんがいたり。いろんな雰囲気の人が一様に並んでいる様を眺めるのが面白かったですね。

作品というものを意識しなくなってからは、構図とかにもこだわらなくなりました。基本、人に気づかれないように撮るスタイルだったので、ファインダーも見ずにシャッターを切っています。

カメラのモードはAUTOの時もあれば、絞り優先で開放(f 2.8)で撮ったり、シャッタースピード優先(1/250)などで撮ったり。たまにシャッタースピード1秒とかにして遊んでみたり。

そんな淡々とスナップ写真を撮るという行為を長年続けてきて、写真を見返して見た時に、この写真達がとても愛おしく感じるようになりました。自分の感情を記録し続けてきたかのように感じ、ちゃんと整理していこうかなと考えています。


自分もスナップシューターになってみたいと思うなら、Ricoh GRを強くお勧めします。僕が一番重要視しているポイント。「本体が軽い」「機動がはやい」「写りがいい」これらを満たしている数少ない名機だと思います。

カメラは信頼がおけるショップ「マップカメラ」でよく購入してます。


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