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#新書
武田徹の新書時評|新型も全くの“未知”ではない
評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。
横浜港で検疫中だったクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号に乗り込み、感染対策が不十分なため船内が巨大なウイルス培養器になっていると動画サイトで告発した――。世界中に衝撃を与えた感染症専門医・岩田健太郎がかつて書いた『「感染症パニック」を防げ!』(光文社新書)が緊急増刷されている。
すっかり時の人となった著者ゆえに新型コロナウ
武田徹の新書時評|真贋は一筋縄で括れない
評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。
小林秀雄の「真贋」は人気のエッセイだ。大枚払って買った良寛の詩軸が偽物だったと知って憤慨した小林は日本刀で一刀両断バラバラにしてしまう。この威勢の良さに小林ファンは魅了される。
真贋は今でも話題になる。2019年1月には東京湾岸の日の出埠頭で見つかったネズミの落書きが著名なストリート・アーティスト「バンクシー」の真作か否か、
武田徹の新書時評|没後100年 新しいヴェーバー像
評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。
表記の違い以外に同名の新書が同時に出版される。それは過去に例があったのだろうか。今、書店には今野元『マックス・ヴェーバー』(岩波新書)と野口雅弘『マックス・ウェーバー』(中公新書)が並ぶ。ヴェーバーが2020年6月14日に没後100年を迎えるタイミングを意識した刊行だったのだろう。
とはいえ書名と発売時期こそ重なったが内容に