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「月の光が肩に冷たい夜には」

月、綺麗ですね。
綺麗な月を見るたびにここに書き留めている気がするのですが、本格的に寒くなった今の季節は空気がとても澄んでいて、そこにくっきりと浮かぶ月はまるで…まるでLEDライトのようです、などと言っては怒られてしまうでしょうか。
でも本当に、あまりの明るさと神々しさに息を呑んだのでした。おまけに、周りにはチカチカと瞬く星々まで見えて幻想的。私の住む土地柄、初めは飛行機の灯火かと思ったのですが、目を凝らしてみると星なのでした。

私が持っている数少ない詩集の中の一冊に、井上瑞貴『星々の冷却』(2015年、書肆侃侃房)という作品があります。その表題作「星々の冷却」は、このような書き出しです。

夜空について書かれたものが永遠なのは冷却されているからだ
星々に隠してきたものがあばかれることがあってもそれは冷えている
猫も家の前の石段を毎回数えなければ登ることができない
真冬には川の気配さえ凍る
あたたかくしてください


―『星々の冷却』P.2

正直、この詩を解釈するのは私には難しいです。ですが、キンと冷えた空気感と輝く星の様子が目に浮かぶこの詩が、なんとなく好きなのです。

今日は、キリリとした顔立ちのお月さまに見守られながら眠ることとしましょう。おやすみなさい。

※トップ画像に使わせていただいた作品、本当に素敵な月夜の絵です。

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