田崎智宏

現在と将来の社会の仕組みづくりに貢献する環境研究者です。環境問題を社会問題・経済問題と…

田崎智宏

現在と将来の社会の仕組みづくりに貢献する環境研究者です。環境問題を社会問題・経済問題と一体的に考えること、研究と実践をつなぐことを大切にしています。リサイクル、サステナビリティとSDGs等で活動中。

最近の記事

連載記事(2)「制度化」で将来の人々を守る

というウェブ記事を本日公表しました。国環研でのBeyond Generationプロジェクトの制度研究の成果を、噛み砕いて説明したものです。ご興味ある方、次のリンクから、どうぞご覧ください。 この記事のポイント将来の人々が困らないようにしようという制度が世界中のいろいろな分野に存在している そのような制度の機能は大きく二つある。性悪説で人々を理解して、将来の人々に不利益が生じないように監視する機能と、性善説で人々を理解して、話し合いや熟慮などをすれば将来の人々に配慮できる

    • サステナビリティ科学の2020年代初期の現状と課題

      環境科学会誌の論文にまとめたサステナビリティ科学の現時点(2022年頃)の現状と課題をさらにまとめてみました。これらは過去20~30年の研究や社会動向をふまえたうえでの認識を示すものです。 サステイナビリティに関する研究対象が拡大し、複雑な人間‒地球環境システムのより包括的な理解は進められてきたものの、サブシステム間の相互作用を本格的に扱う研究は発展途上である。 人間‒地球環境システムの構造的認識を問い直すラディカルな思索が出現している。 持続可能性とはどういった状況か

      • 世界的潮流をふまえた効果的かつ効率的なEPR制度への改善

        製品廃棄物の処理・リサイクルを効果的に実施する場合、製品設計の段階からどのように処理・リサイクルされるのかを想定しておくことが大切で、そのためには製品の生産者の関与が不可欠となります。このような考え方は拡大生産者責任(EPR: Extended Producer Responsibility)と名付けられて1990年代に登場し、2013年頃にはすでに350以上のEPR制度が世界中に存在するようになりました(OECD 2016)。その後の制度数は把握されていないが、米国のみでも

        • 連載記事(1)私がBeyond Generationプロジェクトとウェブ連載を始めたくなった理由

          地球環境問題が深刻化する中、将来世代のことを考えること、将来世代のための仕組みづくりをすることがより重要になっています。将来世代のための仕組みづくりのためには、科学だけでは答えられない問題に向き合う必要があり、研究を行う中で出てくる疑問や葛藤を皆さんにも知っていただき、対話につなげていくことも大切であると考え、「将来世代への責任をどう考える? ~環境研究者の向き合い方~」と題したウェブ連載を始めたいと考えました。  この記事では、2021年度から始まった国立環境研究所の研究

        連載記事(2)「制度化」で将来の人々を守る

          台湾のデジタル民主主義でも使われたプラットフォームPol.isを使ってみた(Pol.isのマニュアル)

           デジタル化の時代、政策議論を行ううえで、もはや審議会のような古い形態だけに頼ってはいられません。実際、海外ではデジタル民主主義向けのプラットフォームを活用していて、これらはDPPP(Digital Platform for Public Participation)などと呼ばれています。例えば、バルセロナ市などが使っていたDecidimは、日本では加古川市が最初に導入して利用されています(加古川市のサイトはこちら。Higashi氏がその活用例を詳しく報告)。また、台湾では、

          台湾のデジタル民主主義でも使われたプラットフォームPol.isを使ってみた(Pol.isのマニュアル)