「ズッコケ中年三人組age41」の感想
君は、北里真智子を覚えているか?
初期の名作「ズッコケ㊙️大作戦」に登場した、謎多き美少女転校生。モーちゃんの初恋の人であり、ハチベエに「俺たちのマコ」と言わせたあのマコが、有名占い師となって再びミドリ市にやってきた!
とにかく、マコの印象というのはすごい。50巻読破中に何度か、もう一回出てこないかなーと思っていた。時を経て、41才にして再び会えるとは。
しかし、相変わらずマコに翻弄されまくる三人である。あいつは…なんて言いながら、結局マコのお願いは全部聞いてやり、しかもなんだか煙に巻かれて物語は終わる。この、結局なんだったんだ、という感じが個人的にはすごく好きである。謎多き美少女は、41歳になっても謎だらけだし、男はそういうのに弱い。
今作のもうひとつのテーマは「健康」だ。マコの占いで健康に注意と言われたモーちゃんは、家族三人でのウォーキングを始める。さりげなく「ダイエット作戦」で暗示をかけられて激ヤセしたモーちゃんのエピソードを出してくるあたりはファン心をくすぐってくれる。
マコの占いがインチキだったのかどうかは最後までわからないままだが、マコがミドリ市で過ごした二ヶ月間を特別に感じていたことは事実だろうし、それは、ズッコケ三人組との出会いと別れがそうさせたことは明白だろう。
孤独なマコの心のなかにある、数少ない「生きてくよすがとしての思い出」が、あの雪山の逃避行なのかもしれない、と思うのはロマンチックが過ぎるかもしれないが、とにかく、約30年経ってもなお、マコは、俺たちのマコなのだった。
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