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ヴァニタスの手記#20 不治の病 感想

Mal d'amour―不治の病―
https://vanitas-anime.com/story/?id=ep20

初恋。
ヴァニタスの苦しみと、ジャンヌの幸せそうな微笑みが非常に対照的でした。
ヴァニタスは孤児→ヴァンピール殲滅思想の洗脳→(特異能力者との契約)という、幸せとは程遠い生い立ちを辿ったため、「他者を助けることにしか、自分の存在価値は無い」という考えがこの回でローランとオリヴィエとの会話の中からもクッキリと浮かび上がります。そこまで自己肯定感が低かったとは。
幸せや友愛感情でさえ、自分で「取りに」行かないと得られないものと思っていて、自分の事は「基本的に全ての人から嫌われている」と思い込んでいるヴァニタス。ノエとの関りも自分からが発端だったし、ジャンヌに至っては「自分のことを嫌うにきまっている」相手だからからかってやろう、という感情が発端にあった。
いわゆる、好きな女の子にイジワルをして反応を見ることしかできない不器用な小学生みたいなことをしていたヴァニタス。
彼は、「無償の愛」という感情を知らないし、相手への好感情はギブまたはトレードオフでしか得られない、という思考原理の中で、寂しいけれど安定して生きてきた。
それが、ジャンヌの笑顔だけで心の中が一杯になってしまうようになった。相手からの笑顔というのは、受け取ってしまえば「無償の愛」の入り口だ。
「そんなものは幻想にすぎない」と、他人からの愛を受け取ることに慣れていないヴァニタスは、どうしたら良いのか分からず、とまどい街を走り回る。

一方のジャンヌは、それはそれは嬉しそうに恋を語る。
ヴァンピールの処刑人(ブロー)である自分が、人並みに恋愛などする機会なんて無かっただろうに、このような感情が沸きあがったことをむしろ楽しんでいるようにも見える。

正直、この二人がここまで本気でお互いに惚れるとは思ってなかったので、この展開はほほえましいです。ジャンヌが恋心を語った時に思ったのは、人とヴァンピールの寿命の違い。二人が恋人同士になったとしても、人間の寿命はヴァンピールに比べると非常に短いので、延々添い遂げることはできないのが悲しいかなと。それ以前に、ヴァンピールの「真の名前」を知ることができるという特異能力を持ったヴァニタスは、おそらく何かとてつもない存在(自分が「ヴァニタス」と名乗ってはいるが、元々のヴァニタスたる存在)と契約をしており、おそらく対価は彼の魂なのではないかと……。(これは私の妄想ですが)となると、彼は今後もヴァンピールの危機を助ける危険な冒険を続けることになり、その能力を使うことになるのだろうけど、おそらくそれは彼の寿命を普通の人間のそれ以上に酷使してすり減らす類のものなんじゃないかと。そういう意味からも二人が一緒にいられる期間は非常に短いと思われる(せいぜい1~2年)のです。

だから、お互い照れないで、甘い時間を謳歌して欲しいものだなあとも思うのでした。

今回は、ミハイルが黒幕っぽい。ドミニクが利用されているように見える。ヴァニタスとミハイルは出自が同じで、能力もほぼ同じようなので、ジェヴォーダン編でクロエの支配に失敗したネーニアが宿ってしまったのか?

ヴァニタスの手記については、あんまりいままで書くことが無かったのですが、それは何故かといいますと、色んな意味で「全てが心地よく、ただただ楽しめる作品で、改めて論じる部分が見当たらなかった」からであります。これは、褒め言葉です。

コミックスのほうは読み進めていないので、今後もアニメを観つつ続きを楽しみます。コミックスなど原作を読んでからアニメを観ると、どうもアニメへの期待度が途中で落ちてしまう癖があるのと、まあズボラだからです。

ここまでおしゃべりにつきあっていただき、ありがとうございました!

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