パリの朝にまつわる物語 #4
◆パリの記憶は早朝
パリでの思い出には早朝が多い。たいてい時差ぼけで早朝に目が覚めて、まだ外が真っ暗なのに、早く街に繰り出したくて、もぞもぞと動き始めてしまうから。
早朝は空気も澄んでピーンと張り詰めたような静けさが、たまらなくパリの気配を感じられる時間に思う、、、。
初めてパリを訪れたときはバックパックの貧乏旅行でした。パリからニースまでの道中は、夜行電車のクシェットと言うドミトリーのような一室の、狭ーいベッドで過ごしました。朝が来るとベッドから降りて知らない街の静かな静かな朝焼けを車窓からそっと覗いてみる。キーンと冷えた空気がことさらにその情景を印象深くするのでした。今でもあの空気感、朝の匂いが、パリに来ると蘇るのです。
そして2年前に娘たちと訪れたときには、早朝から開いているパン屋さんを見つけ、ホテルから朝焼けを見ながら向かいました。通りに差し込む朝日がキラキラとパリの街に反射して、ここは天国なのかしらと 見紛うような光景でした。掃除のおじさんに思わず、C’est jolie !!!と大きな声で叫んでしまう。朝日に照らされて神様のようになったおじさんも大きな声で応えてくれる。
この旅にも素敵な朝がやってきました。ホテルの窓から美しい朝焼けが!イタリア系のおじ様がとっておきの部屋と言っていたのは大袈裟ではなかったのかもしれないな。
◆衝撃のプティ・デジュネ
この時期7時はまだ薄っすらと明るくなる程度で、早く動き出したい私はホテルの朝食をとることに。
まだ誰もいない地下のサロンには、ポップな色合いのテーブルコーディネートが整然とされていて、見る目を楽しませてくれました。
マダムにコーヒー、紅茶、ココア、何にしましょうか?と聞かれ、迷わずカフェオレを。ステンレスのジャグにたっぷりのコーヒーとミルクを運んでくれて、こういうのもパリらしい!
そしてクロワッサン、そしてバケットにプレジデントのバターでしょう!
初めてパリに来た時、とても安いユースホステルに泊まったのですが、そこで初めて食べたバゲットとバター、そしてカフェオレも、なぜこんなに美味しいのかだろうか、何度でも呟きたくなるほどで、どんどんパリにハマっていったのでした。
その時から27年経った今も、その味は変わることなく、今もなお同じだけの衝撃を残してくれます。
パリの記憶は単なる旅の思い出という枠を超え、詩のような文章で紡がれた物語のような、そんな情感と余韻を残してくれるのです。
『好き』を仕事にするために、始動し始めました。まだまだ卵にもなりかけてない構想ですが、徐々にnoteでも公開して行きます!