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TARPノート 2023/4/2(須藤はる奈)

ここでは絵のzine TARPに参加する人たちがなにか書いたり写真や絵をUPしたりします。

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今回のTARPノートは須藤はる奈さんです (Twitter Instagram)

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こんにちは。須藤はる奈です。

2月に子どもが生まれました。
ここしばらくはずっとお世話をしていて、行きたい展示になかなか足を運べずにいます。

でもどうしても鑑賞したい展示があり、思い切って単身外出を決行することにしました。家族の協力もあって、今、ひとりで電車に揺られながらこれを書いています。

展示というのは、グラフィックデザイナーの仲條正義さんの名作展です。
私にとって仲條さんの作品は憧れそのものです。

世に存在するかっこいい印刷物の中で、地方にいた私がその実物に出会う機会は僅かでした。
そのうちのひとつは、電車で30分くらいの隣町のイオンの、化粧品カウンターで手に入れることができました。資生堂の企業文化紙『花椿』です。

そのアートディレクションをしていたのが仲條正義さんでした。

花椿はものすごい企画力と編集力で成立しているように見えました。
田舎の片隅で、途方もない苛立ちと退屈で燻っていた私にとって、それはすごくときめくものでした。

こんなたのしい雑誌がコンスタントに発行されていて、しかも地方のイオンで無料で手に入れることができるなんて…。すごい。資生堂という存在への憧れは高まる一方でした。

仲條さんは資生堂パーラーのお菓子のパッケージもデザインされていて、私は手みやげ以外にも自分用に買ってしまうくらい好きです。

世の中にはいろいろな鈍器(分厚い書物)がありますが、2021年に発行された作品集『仲條』はわが家でも屈指の重厚感を漂わせております。本当に多作で、長く活躍されていたことがわかります。

仲條さんは一昨年88歳でお亡くなりになりました。当たり前ですけど彼もかつては赤ちゃんだったのかと思うと、なんかこう途方に暮れるというか、こわいというか、可能性ってすごいな…というかなり茫漠とした心情になります。

子育ては興味深くて毎日が貴重な時間ですが、今日のように自分の好きな物事に触れることもしていけたらいいなと思います。絵もはやく描けるようになりたいです。

それでは久しぶりの外出楽しんできます。

おしまい

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