漫画賞へ初めて投稿 同人活動と出張編集部で得たもの

仕事を辞めたい一心で漫画を描いて投稿してみようと決意。
だが漫画は時間がかかるもの…描いてるうちに部署が異動になったりなどして辞めたいパワーのピークは過ぎたが
せっかく決心したし、長い目で、とにかく一本描いてみて、そこから考えてみるようと思った。

自分の漫画描きのスペックとしては

・小学生~中学前半にノートにえんぴつで漫画をたくさん描いていた
(これはハンターハンターのキルアに大ハマりしていた影響で、暗殺者集団の会社に集まった子供達が悲惨な過去やトラブルを乗り越えていく壮大なドラマ。本当にしょうもない中二病満載設定だったがこれをノート20冊分くらい描いた情熱はけっこうすごいと思う)
・前述したLaLaに持ち込みして撃沈した16ページ漫画
・それ以降は二次創作で主にBLを10年程

同人活動は二次創作で、常に「人のキャラを借りて好きにやっている…」という罪悪感があったが
与えてくれたものは大きかった。

→同人活動でクリスタ、原稿データの基礎は覚えた
→締め切りがあることで間に合わせる事も覚えた
→人様の大人気作品をお借りして描いていたので、前提として誰にも見てもらえない、ということがない。
それにより描いて発表するハードルがかなり下がった。
自分が周囲に比べてこれが上手くてこれが下手、長所と短所が感想や数字で客観的に知ることが出来た
→同人女たちを交流することで描き続ける人と上手いのに辞めてしまう人など、
今まで「一人」だったのが創作する人と出会え、その中で自分はどういうスタンスなのかを知ることが出来た

ここで投稿する、といってもどこに出すのか?というのが最初にぶち当たるの疑問点だが、
私は同人活動で「私は商業BLは難しいだろう」と感じていた。
18禁を楽しんで描けなかったから。これはBL業界では致命的だった。
あと、キャラクター達のイチャイチャだけでは漫画が描けなかった。だから少女漫画でもなさそうだ。
少年漫画でもない気がする…バトルやスポーツを描く自分が想像できない。

となると、消去法で青年誌になる。
一番間口が広そうな、かつ自分が大好きな漫画も載っている雑誌を選び、とにかく一本描くことに集中した。

一次創作の一番のハードルは「最初の一本を描き切る」だと思う。

コミティアにも友人と出た事があるが、二次創作と比べて本当に手にとってもらうのが難しい。
有象無象の素人が描いた、おもしろいかもわからない漫画に金を出して読んで貰う事って大変な事で。
なので投稿作を描いてる途中も

「この漫画は誰にも読まれないかもしれない」
「こんなに大変な思いをしてるのに何にもならないかもしれない」
「そもそも自分なんか全然…」
と負の思考に支配される。

制作の途中段階で出張編集部にも持っていき、意見をもらいにいったが、そこまで言わなくても…とボロクソにも言われた。
モノローグが多すぎ、背景が曖昧でどこで何してるかわからない、骨格がおかしい、このキャラめんどくさい、こんなんじゃキャラのこと嫌いになっちゃうよ?等…

二次創作は基本的に褒め言葉しかもらわないので、この意見は新鮮でもあり、有難く、ショックでもあり、
改善点にたくさん気付かせてもらった、非常に貴重な意見だった。
だったのだが、途中、原稿の台詞を音読されてキャラクターの事を馬鹿にされた時は普通にムカついた。
キャラの事をそんなに悪く言うなよ!!
私の力量が足りてないから描き方が悪いだけで、この子達は優しくて良い子なんだからそんなに言うな!!
となり若干言い返したら言い合いになり最悪の雰囲気になった。真似しないで欲しい。

真似はしないでほしいのだが、出張編集部に何度か行って基本的には皆アドバイスをくれるし喋り方は様々だが
こちらが真剣に質問したら真剣に返してくれた。
向こうも仕事なのでこちらも大いに利用させてもらえばいい。出張編集部は本当に楽しい。

でも一方で「それはアドバイスではなくないか?」という人格否定の様な事を言ってくる人もいるし、
編集さんも人間なので複数人に見せると真逆のアドバイスを言われすぎて混乱したりする。
この辺を上手く割り切っていけば、すごくタメになるしもしかしたら担当さんつくかもしれないので是非利用してみてほしい。
編集さんとしゃべる練習にもなると思います。

話がそれまくったけれどとにかく一本描き切るのが大変すぎた。
その間もSNS見ると皆が楽しそうにコラボカフェに行ったりしてるし
別垢見てもライブに行ったり犬同伴のカフェでパンケーキ食べたりしている中、
誰に読まれるともわからない、一銭にもならないであろう下手くそな漫画を毎日コツコツコツコツ描くのは
精神的にも体力的もキツかった。

そんな中なんとか数カ月かけて描き切った。
内容は昔自分が描いた同人誌のキャラクターや設定を作り直したものだ。とにかく背伸びをしすぎず「描き切る」だけに集中した。

私は絵もストーリーもキャラ作りも突出して上手いものは無い。
ただ、毎日コツコツ描く能力だけはすごいし偉いし、漫画を続けるうえでの素晴らしい才能だと思う。

初めての投稿は同人誌とデータのサイズや作り方も違い混乱したがなんとかデータを送信。
とりあえず総評だけもらい、次に活かしていこう。

早速次も書き始めよう。次はリメイクでなく、今の自分が1から作った話にしようかな…なんて
ネームを切っていたときに、一つ目の投稿の記事の電話がくる。

ここからがまた大変なんだけど、この時は浮かれポンチ狂喜乱舞でまだ知る由もなかったっすわ…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?