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自分の実践に影響を与えた本紹介⑦

前回は、工藤校長の本を紹介しました。手段の目的化を視点に、さまざまな学校改革をおこなった人物です。

今日も工藤校長の著書です。『自律する子の育て方』という本です。
脳神経を専門としている、青砥瑞人さんとの共同著書です!脳のお話も出てきますよ!

教育の本質とは

まずは序章。工藤校長のターンです。

早速ですが、教育の「本質」とは何だと思いますか?

工藤校長は、現在のような激動の時代に必要な個人の資質は「自律」だと述べられています。

「自律」。つまり、自分で考え、判断し、行動できる力です自分を律する力とも言えるかもしれません。

あのOECDの教育指針にも「自律」(Taking Responsibility)が記載されているそうです。

自己決定を尊重する

「自律」の心を育てるためには、子どもたちの「自己決定」を尊重していかなければなりません。何もかも大人が(教師が)子どもたちに指示したり、正解を伝えたりするのではなく、子どもたちに考えさせる経験を確保してあげることが大切でしょう。

もちろん、子どもですから、失敗することもあるでしょう(大人も失敗します)。そんな時に、「どうして失敗したと思う?」「次するならどうしたらいい?」と、聞いてやるのが教師ではないでしょうか!?

心理的安全性の重要性

第1章。青砥さんのターン。
今最近有名になってきた「心理的安全性」。みなさん聞いたことがありますか?
文字通り、心理的に安全な場所を示していますが、あのGoogleが「チームを成功へと導く5つの鍵」を調査し、1番目だと発表したのが「心理的安全性」でした。

「心理的安全性」が確保されている根拠として、

不安や恥ずかしさを感じることなくリスクある行動を取ることができるか
『自律する子の育て方』p.43

だそうです。
このような場では、自分という人間が周りに認められ、いろいろなことに挑戦することができるでしょう。自己肯定感も高まり、新しいことへ挑戦するモチベーションも上がっていくと思います。

教室を「心理的安全性」のある空間にしていきたい。そのための技を工藤校長が教えてくれます。

失敗しても大丈夫な空間

第二章。工藤校長のターン。(この本は章ごとに工藤校長と青砥さんが書いています)

心理的安全性を高めるためには、「失敗しても大丈夫」という空間を作ることが大切だと言われています。

教師が、失敗を奨励し、認めてあげることが大切でしょう。もちろん、失敗しろ!というわけではなく、きちんと努力した結果、失敗してもOKということです!

「3つの言葉」で子どもは変わる

「どうしたの?」

「どうしたいの?」

「先生にできることはある?」

子どもが何か問題を起こした時、生徒指導をするときに教師がかける3つの言葉です。よく、喧嘩の話を聞くときは「どうしてそんなことをしたのか」と、理由を聞いてしまいます。事実確認としては、必要な情報かもしれませんが。

工藤校長は違います。「どうしたいのか?」
つまり、理由ではなく、目的を聞いているのです。

アドラー心理学で「目的論」という考え方があります。
子供の問題行動に対して、原因ではなく、目的を探っていく方法です。
「どうして?」ではなく、「何のために?」という声掛けになります。

子どもの問題行動は、何か意図がある行動であり、何かしらの自己決定がなされた結果だと言えます。子どもたちの自己決定を認めるという話は先ほどしたと思いますが、その決定の目的をきちんと聞いてあげることから始まっていくのです。

子どもたちの「やりたい!」を叶える

工藤校長は、部活動の話を例にされていますが、教室でも同じでしょう。子どもたちの「やりたい!」をどれだけ叶えさせてあげるか。

もちろん実現できないものもあるかもしれませんが、子どもの声から始まるイベントやプロジェクトを大切にしていきたいですね。


「自律」する子を育てるためには

第三章、第四章では、「メタ認知」について紹介されていますが、是非購入して読んでみてください。私の解説はここまで!

この本を読んで、「心理的安全性」の本を買って読むようになりました。また、教室では、子どもたちの「やりたい!」を尊重していきたいと思うようになりました。

具体的にいうと、係活動を会社活動にしました。
係は決められた係の中からやりたいものを選びますが、会社は自由に設立することができます。自分で考え、判断し、行動する力が養われるのではないでしょうか。

また、会社ごとにイベントを企画させました。「やりたい!」を集め、それを形にしていくのです。もちろん、クラスのためにならないものは通りませんが・・・

次回は、「心理的安全性」の本を紹介します!


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