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自分の実践に影響を与えた本紹介⑧

前回は脳科学の視点も踏まえた本について紹介しました。
今日は、前回とのつながりで「心理的安全性」についての本を紹介します。


心理的安全性とは

「心理的安全性」とは、googleの「生産性の高いチーム」の特徴として見つかった要因の1つです。

心理的に安全な環境を作ることで、生産性の高いチームが生まれるという検証データです。
この結果、先進企業では、CHO(チーフ・ハピネス・オフィサー)という部署が設けられ、従業員の心理的なケアや幸せへのマネジメントを行なっているそうです。

タテだけでなく、ヨコの人間関係

「この空間は安全だ」と思える「安全基地」を作っていくことが大切です。先輩や後輩、子どもたちとのタテの関係を重視してしまいがちです。しかし、本著では、友達や同期といったヨコの関係も大切にして行く必要があると述べられています。

何かを相談できる相手が近くにいるか。
困った時、支えてくれる友達がいるか。

身近な人との関係から、より良くしていく必要があるのかもしれません。

教室で言うのなら、子どもと先生はタテの関係
子ども同士はヨコの関係になります。

どうすれば、子ども同士が優しい関係性を育めるのか

学級経営において、とても必要な考え方ではないでしょうか。

いいことのシェア

「積極的建設的傾聴」(ACR)という言葉をご存知ですか?
いいニュースを話すと、それを聞いている人も喜びが増して、関係性が良くなるそうです。

会議や打ち合わせをするときに、「最近あったよかったニュースは?」と言うテーマから入ると、少しずつお互いの関係が良くなっていくのかもしれません。

心理的安全性によって高まる2つの力

本著では、心理的安全性によって大きく2つの能力が高まると言われています。それは、自己効力感と自律性です。それぞれについて説明していきます。

自己効力感を高める「やってみよう!」

自己効力感を高めるためには、何かをやってみて、それが成功する体験が必要になります。そのためには、何かをやってみないといけません。

しかし、失敗を恐れて、なかなか新しいことに挑戦できないこともあります。上司から、先輩から、同僚から、何か言われてしまうんじゃないかと。

そんな環境では、確かに、自分の挑戦が妨げられてしまうかもしれません。だからこその心理的安全性です。失敗を恐れず、挑戦した後に、初めて、自己効力感がついてくるのです。

教室でも同じことが言えるでしょう。「失敗は成功のもと」みたいなスローガンを掲げ、どんどん子どもたちに挑戦させていく環境が大切です。
子どもたちに「やってみよう!」と教師が声をかけ、いろいろなことに挑戦させていく。失敗してもフォローし、次へ繋がる声掛けをする。

まさに、教室の心理的安全性が、子ども主体性を高めていくのだと思います。

自律性を高める「やってみたい!」

自律性とは、自分のことを自分で決めて行動していくことです。自分をコントロールして、状況に応じて適切な行動をしていくことです。

上司や先輩から、「〇〇をしなさい」ではなく、「〇〇をしてみたい!」と言う思いから、自分で判断して行動できる環境を作っていく。これも心理的安全性の環境とつながります。

教室でも同じことが言えるでしょう。子どもたちの「やってみよう!」と教師がどれだけ歓迎し、フォローし、認めてあげられているか。やって終わりではなく、きちんと評価し、次へ繋げる言葉かけができるか。

心理的安全性のある教室づくりを

この本を読んで、教室でも心理的安全性を高めていきたいと思うようになりました。
2学期から、係活動を会社活動へ変更しました。

係は、ある程度決まった係に子どもたちを当てはめていく作業になりますが、
会社は、自分たちで作りたい会社を作っていきます。
もちろん、学級のための会社を作らないといけません。子どもたちの承認を得れば、設立することができるのです。

あとは、子どもたちの「やってみたい!」を認めて、実践させていきます。
早速、保健会社から、「朝の健康観察のやり方を変えてみたい!」と言いにきました。もちろんOKです。しかし、きちんと目的も聞きます。

「どうして、やり方を変えるの?それによってクラスはどう良くなるの?」
子どもたちは、頑張って説明してくれます。実際うまくいかなくてもいいのです。
まずはやってみる!そして、次へ繋げる!!

これからも、「心理的安全性」を意識して、学級づくりに取り組んでいこうと思います。

次回は、心理学を踏まえた教育書の紹介をしたいと思います!


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