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自分の実践に影響を与えた本紹介⑨

お久しぶりです。約15日ぶりの投稿。半月サボってしまった。帰る時間も遅かったので・・・

さて、最近、子どもたちが繋がる、子ども同士で学び合う、議論し合う授業を目指しています。教師はティーチャーではなく、ファシリテーションとなる授業です。

そこで、本棚を読み返してみると、約3年前に買った本と再び出会いました。本は読み返すと、その時には感じなかったものを感じるとことができますね。心理学用語で「カラーバス効果」と言うらしいです。自分に興味のあることが自然と目に入ってくる。

3年前読んだ時は気づかなかったことが、今になって気づく。その時求めていなかっただけかもしれませんが、再び出会うと、「こんなこと書いてたんだ!」ってなります。

今回紹介するのは、『授業ファシリテート入門』と言う本です。
著者である若松さんには一度、附属桃山小学校でお会いしたことがあります。

ティーチャーではなく、ファシリテーター

ファシリテーションを行う人を「ファシリテーター」と呼びます。話し合いを導き、まとめていく人です。

ティーチャーは何かを教えてくれる人。トップダウンで、「これはこう!」と伝えていく。ファシリテーターは、「問い」から話し合いを生み出し、みんなの意見をまとめて「こういうことだね」と「答え」を醸成する人。

そのファシリテーターになるための極意が書かれている本です。

問い→発散→収束→ふりかえりのサイクル

ファシリテーターの授業の流れは、①問い→②発散→③収束→④ふりかえりです。

①「問い」は授業のめあてや課題になる部分です。

ティーチャーは教師から課題を提示することがあります。
しかし、ファシリテーターは子どもからでた問いをめあてとして設定します。

一方的な教師の問いではなく、子どもから生まれた自然な問いを授業の学習課題とするのです。
僕がしている「問いづくり」と繋がるところもあるかも知れません。子どもたちの「知りたい!」と授業のめあてとし、みんなで解決していきます。
学習のねらいに沿わない問いも必ず存在します。そんな時、どうするかも考えていかなければなりませんね。

本著では、大きく2種類の問いが生まれると書かれています。それは、「クリアエンド型」と「オープンエンド型」です。
クローズクエッションとオープンクエッションみたいな感じです。答えがある程度決まっているのか、答えが決まっておらず、多様な考えを生み出すのかによって、問いも変わります。これは、授業のねらいによって設定する問いが変わると言うことです。

道徳はオープンエンド型が多いでしょう。算数や国語は、さまざまな考え方からある一定の答えを生み出していかなければならないことが多いと思います。何でもOKとはいきません。

②発散

問いが決まれば、その問いに対する答えを子どもたちに発散させます。個人思考やペア・グループ思考を通じて、全体で交流していきます。

ここでも、ファシリテーターの力の見せ所です。
子どもたち一人一人の意見を尊重し、できるだけ多くの意見を出させます
子どもたち同士でつなげ合う技も載っていますので、読んでみてください!

③収束

子どもたちから出てきた多様な考えをそのまま放置してはいけません。「みんないろんな意見が出てきたね」で終わると、結局、何が正解なのか分からず、モヤモヤしてしまいます。

そこで、ファシリテーターとして、子どもたちの意見をまとめていきます。
まとめる技も本に載っていますが、端的に言うと、それぞれの意見を比較して、分類していきます。

先ほど述べた、クリアエンド型、オープンエンド型によって、まとめ方も異なっていきます。発散させたものを収束させ、ある程度まとめていかなければ、深い学びではなく、浅い学びとなってしまうのです

④ふりかえり

最後は、ふりかえりです。先ほどのオープンエンド型の授業の場合、必ずふりかえりをさせるべきだと、本著では書かれていました。
答えが決まらないオープンエンド型では、結局何を学んだのかがぼんやりとしてしまいます。道徳などでは、必ず、「今日の学習で考えこと」「他の意見を聞いて思ったこと」「日常生活に生かしていきたいこと」などをふりかえらせる必要があります。

本著では、ふりかえりも2種類に分けられています。
シングル・ループとダブル・ループです。

シングル・ループのふりかえりは、授業に対するふりかえりです。
「今日の授業で学んだことは?」「前の自分の考え方と変わったことは何か」といったふりかえりをします。

一方、ダブル・ループのふりかえりは、学び方に対するふりかえりです。「今日の話し合い活動はうまくいったのか」「今日の授業にはどんな意味があったのか」など、授業の枠についてふりかえります。

本著では、2つのふりかえりのタイミングは、ファシリテーターが決めるべきだと書かれていました。毎回ダブル・ループのふりかえりは好ましくなく、シングル・ループを軸に、ダブル・ループも入れていく流れが良いのではないでしょうか。

ファシリテーターになるには

ファシリテーターになるには、スキルが必要です。しかし、それ以上に、ファシリテーターとなってどんな学級を創りたいのか、何のためにファシリテーターになるのかといった、教師の信念が試されます。生半可な気持ちで行うと、かえって子どもたちを混乱させてしまいます。

私も、自分の信念のもと、ファシリテーターになって授業を進めていきたいと思います。

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