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外国語ができないから国際結婚してしまった話 その1

 遡ること10数年前。40歳を超えた頃にベトナム旅行に行った。

 ツアーを予約して1人で参加する予定だったのだけど、2週間前になって旅行会社から電話があった。

「ツアー参加者が少ないため、料金が上がってしまうのですがどうしますか?」

 なんとなく中止して欲しいような口振り。

 しかし、もう休暇を申請して貰っていたし、ガイドブックなども調べて気持ちがノリノリだったので、割高になっても参加することにした。念のために

「えーと、少ないって何人ぐらいなんですか?」

「あなたお一人です」

「・・・・・・!」

なんで旅行会社の人がやめて欲しそうにしていたのか解った気がした(^_^;)

 海外旅行は韓国に3度(案内があったので何もしなくても良かった)中国(旅行慣れしている友人と一緒だったので、ほんとに何もしなくて良かった)ぐらいしか行ったことがなかった。

 飛行機に乗り最初に困ったのは入国関係の書類。そもそも筆記用具さえもってない。仕方が無いので隣の人にボールペンを借りたのだけど、英語とベトナム語で書いていて、ベトナム語はもちろん、英語も中学校2年生ぐらいの実力。苦心惨憺して適当に書いて入国の際、一度突き返されたけど、相手が何を言ってるのか解らないから、何が悪いのかも解らない。そもそも筆記用具を持っていない。他の人はどんどん入国していくのに、自分は何を書き換えたら良いのかも解らない情けない状態。意を決して何も書き換えずに再度出したら、なぜか今度は無事に入国することができました(^_^;)(多分向こうもめんどくさかったのだと思う)

まだベトナム戦争当時のサイゴン空港だった。すぐに新しい空港になった。

 現地の人が迎えに来ていて、1人かと思ったら別の地域から参加している方2名と合流して観光するのだけど、数十人参加予定のところ3人なのであっという間に見終わってしまう。3泊4日すべて午前中にコースが終わっていた。

観光コース クチのトンネル(地下要塞入り口?)
なんでAKじゃなくてM16?と思ったけど、アメリカ軍が放棄していったものか、それとも・・・


 仕方が無いので、午後からはガイドブック片手にホーチミン市の街中をウロウロ。

今はもっと車だらけなんだろうなぁ・・・


(ぼったくられたり、おつりを誤魔化されたり、シクロの人と大げんかしたり、道路を渡るのに苦労したり・・・などはよくある話なので割愛)

1人でのんびり食事。ビールもおいしかった。
良くわからないけど豊富な食材
良くわからないけど豊富な食材2
軽トラ並みの輸送力があるバイク
ベトナムのリア充(多分)な方々

 歩いてると目に留まるのが、あちこちにある散髪屋。外見自体は日本の散髪屋さんとそんなに違いは無いのだけど、外から中を覗いてみるとやたら若い女性が沢山いる。看板をには「マッサージ」と書いてある。私は常に体中が凝っているのでマッサージが大好きなのだけど、知らない土地で入って大丈夫だろうか・・・(日本でも知らない土地でアブナイ目にあったことがあった)などと思ったけど、時間は有り余ってるし意を決して入ってみた。

 入ったらすぐに店員さんが来て「マッサ?」と聞かれたので頷いたら2階に連れて行かれた。『いかがわしいとことじゃないのか?』とかなり不安に思いながら2Fにあがると、薄暗いところにマッサージ用のベッドがいくつも並んでいる。他の人もマッサージを受けていてごく普通のマッサージみたいで少し安心した。

 薄暗いこともあってか付いてくれた女性はやたら美人に見えた。籠を出されて『この中に服と荷物を入れろ』と手真似でされたけど、まだ少し警戒心のあった私は近くの椅子の上に置くとこれも手真似で言った。

 オイルを塗られて受けるマッサージはとても気持ちよく、天国に居るような気持ちだったが、『眠ってはいけない!!』と必死で目を開けていた。マッサージをしている女性はとても丁寧に熱心にやってくれていることに感心した。英語が苦手な私はしばらく迷っていたけど、感謝の気持ちを伝えたくて英語で話しかけてみた。

 すると、その女性も私と同じぐらいの英語のレベルで答えてくれ、たどたどしいながらいろいろ聞くことができた。年齢は25歳、フエ市の出身で学校を卒業してホーチミン市に来て働いていること、5人兄弟で両親は今もフエにいること等々。

 1時間半ぐらいでマッサージは終わりお金を払うとなんと日本円で400円ぐらい(当時)一緒に降りてきたマッサージの女性はちょっと申し訳なさそうな不安そうな顔で「チップが私たちの報酬なんです」ということだったので奮発して?25ドル渡したらとっても笑顔になった(^_^;)

 次の日もツアーのコースはあっという間に終わり、前日の散髪屋(というかマッサージ店?)に行って、「○○さん居ますか~」と言ったら今他の人についていてダメ、ということだった。残念だったけど仕方が無いので他の女の子についてもらって、さあ始めるぞとなったところで彼女が登場。
 私についていた女の子を押しのけるようにして、「またきてくれたんだ、ありがとう」と言って早速マッサージ。今度は最初からいろいろ話して「このあと○○っていうところに行くんだけど、どう行ったらいいか教えて」と言ったら一生懸命教えてくれようとするのだけど、はっきり言ってさっぱり解らない。「全然解らないなぁ。。。あなたが案内してよ」と半分冗談で言ったら「わかったけど、友だちも一緒に行って良い?」と次の日に案内してくれることになった。
 帰りに昨日と同じ25ドルを渡そうとしたら、「こんなに要らないから」と10ドルだけ取って返してくれた。

つづく


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