我が一族がみんな大好きな大王様と食事に行った時のお話を書いてみる。
食事に行く前に、本屋さんを探そうと言うことで、本屋さんを探すことに。色々本屋さんを探した挙句、見つけたのが信長書店。
って、何でやねん!
(信長書店が何のお店か分からない人は、Googleで検索してください。)
信長書店を見つけて「わーい」と喜びに浸るのを抑えつつ(ウソ)、羨望、いや軽蔑の眼差しで見られるのをかわしつつ、その店をスルーし、何とかちゃんとお食事が出来るお店を発見。
お店の看板には「鉄板鍋」と書いてあり、お料理の絵が鉄板の上に野菜ともやしが乗ってある。
さらに一番上には、これぞ「お肉!」と言う感じの絵が描いてあった。
腹の減っていた我々はこれを見て、「今流行のジンギスカン?」と思い、早速ジンギスカンのテーマを口ずさむ。
「♪ジン、ジン、ジンギスカーン!」
意気揚々と店に入ってみると、すき焼きのような鉄板鍋のお料理がメインのお店であった。
と言うか、ジンギスカンの「ジ」の字もないではないか。
「リズムに乗ってしまった時間を返せ!」
と大王様は捨て台詞をはき、二人でがっかりする。
その後、財布の中がひもじい我々は、結局単品で頼むことに。
キムチやチヂミ、石焼ビビンバにトックスープと、私を知る人からしたら、
「相変わらずそんなもんを食ってるんか!」
「懐が寒いのに、焼肉行く馬鹿がどこにいる?」
とお約束の突込みが入ること間違いなしのお食事を頂くこととなった。
そして、事件はデザートのアイスクリームを食べる寸前に起こった。
「痛っ!」
何と、大王様の指先に、割り箸のささくれが刺さっているではないか。
かなり痛そうにしていて、なかなか爪先だけでささくれを取ることができない。
テンションだだ下がりの我々は仕方なく、家に帰って処置することに。
家に帰ると、まず大王様は、ピンセットでとげを抜くことに挑戦する。
しかしながら、
「抜けない~」
と言う大王様の発言で、この方法は断念。
次に大王様が考えたのが、
「そう言えば、五円玉を使って五円玉の穴にとげを入れて、ぐぐっと押し込めばとげが抜ける」
と、嘘か本当かわからないような話をしたが、私よりも遥かに賢い大王様の考えなら間違いないだろう。
「取り敢えず、五円玉を出しなさい」
という指示通りに、私は急いで五円玉の準備をする。
その後、五円玉の穴にとげが入るようにして、五円玉を押し込んで実践をしてみるが、指先の骨の部分が多かったため、押しても効果なし。
もうだめか?
このまま大王様は棘と一緒に人生を歩むのか?
そう落胆し始めたその時、大王様にミラクルな発想が生まれる。
「五円玉の穴に梅干の欠片をすりつぶしたのを置いて、五円玉をぐっと押さえ込むと、取れなかった棘が取れるようになる」
何ですと~!!!
ちゅーか、発想がめちゃくちゃやがな。
「昔、どこかの小説で読んだ事があるんじゃ。エロ本ばかり読んでいる君とは頭の良さが違うのだよ」
と、博学なのか単なるおバカさんなのか分からない発言をする。
「と言う訳で、冷蔵庫から梅干を持ってきてくれ」
半信半疑で、一年物の貴重な高級梅干(一粒五百円)の欠片を箸で取り、五円玉の上に乗せる私。
そして、準備完了。
大王様の指の上の梅干が、どうしてもお灸に見えてしまう。
しかしこの緊急事態。
大王様に向けて私はそんな事はは口が裂けても言えない。
そして、梅の香ばしい香りに包まれて、五円玉を押さえ込む大王様。
「むむむっ!」
大王様の気合と共に、五円玉を押さえ込むと、梅干がこぼれた・・・
「抜けないではないか!」
振り返ると、今でもこの行動は思いつきなのではないかと今でも思う。
結局この方法で効果があったのは、錆びた五円玉がつるつるになって、綺麗になった事だけであった。
「もう、抜けないから風呂に入る!」
そう言って、落胆した表情の大王様は、顔にトゲが刺さったような悲痛な顔で、バスルームに消えていったのだった。
そして、大王様のとげが結局どうなったかというと、お風呂に入って翌日起きたら取れていたとの事であった。
めでたし、めでたし。
色んな方法であがくのも大事だが、お風呂ってこんな所にも万能なのねと思い知らされたのでありました。
もし棘に刺さって困ったら、お風呂に入ろう。
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