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リモートチームで振り返りに使える超シンプルなフレームワーク

先日経営陣で一年間の振り返りをやったのですが、気づきが多かったので方法をシェアします。

リモートでやるため、ツールにはMiroを使います。この1年でMiroはSlack、Zoom、Notionと並ぶテレワークのMust haveになりました。

内容としては、目次のように1つのセクションに分けて実施します。


1. アイスブレイクとして現在のコンディションチェック

セルフコンディションチェック

アイスブレイクとして、「最近どう?」という感じでオススメしたいのがセルフ・コンディションチェックです。これを各自が3分くらいで回答します。

「最近どう?」って聞かれても、何を答えればいいのかわからないし、チームでのミーティングで全員順番に「最近どう?」ってやるとそれだけで一時間終わっちゃいますよね。なのでこれを使って一斉に回答します。

方法としては、仕事/人との関わり(家族とか恋愛とか)/パッション(趣味とか資格の勉強とか)/健康という4つの軸で最近の状況を主観的に5段階評価します。その理由も下のボックスの中に簡単に記入します。

回答が終わったら、5分とか時間を制限して、お互いの回答を眺めながら軽く雑談したりするとよいと思います。

2. 会社(チーム)としての振り返り

会社の振り返り

まず、個々人がチームとしての成果を付箋に書き出します。ここでは主語は"I"ではなく"We"であることを意識すると書きやすいです。
内容としては、成し遂げたこと、手応えのあること、成長を感じること、うれしいこと、感情が昂ぶることなどを書き出します。
インパクトの大きさや重要度などはあまり気にせず、ささやかなことまでたくさん書き出すのがオススメです。目安は一人10個以上。

最初は5分とかで時間を決めて書き出して、そのあとこれを見ながら個々人が自分の言葉で説明するとよいと思います。

次に、やらなかったことを書き出します。
やらなかったことなんて無限にあると思いますが、やると言っていたのにやらなかったこと、やると言っていたわけではないが物足りないこと、行き詰まりを感じること、我慢していることなどを書き出します。
ここは成果とは逆に、あまり厳しく網羅的に列挙するよりも、感情的にモヤモヤが強いものを意識する方がうまくいきます(なので、Miroのボードでも成果を貼るスペースの方を広くとっています)。

終わったら同様に順番に発表します。
そして、これについて「もっとこうした方がいいよ」といったアドバイスはこの時点では要りません。「これもできていないよ」という指摘も要りません。できていないことに対するわだかまりを本人が自分で吐き出して、認識して、許すことが目的だからです。

3. 個人としての振り返り

個人の振り返り

次の、同様の振り返りを個人単位でも行います。今度の主語は"We"ではなく"I”になりますね。

ここでのポイントは、仕事についてだけでなく、プライベートなことも含めて書き出すことです。「痩せた」とか「筋トレの習慣がついた」とか「家族との時間が増えた」とかも全部立派な成果です。

これらも同様に個人別に発表しますが、チームの場合と同様にアドバイスや指摘は不要です。

ちなみに実際にやってみた限りでは、この個人レベルでのフラストレーションの振り返りが一番有意義でした。意外とみんな似たような問題でモヤモヤを抱えていることに気づけたりすることで、チームとしての改善アクションを考えるきっかけになったり、お互いにサポートの仕方を考えやすくなりました。

4. チームとしての来年の抱負

会社の来年

次に、チームとしての来年の抱負をそれぞれ書いてみます。ここでは、なんとしてでも成し遂げたいAmbition(野心)と、そこまででもないけどできればなんとかしたいImprovement(改善)の2段階で書き出してみます。
2段階に分けるのは、本当に情熱を持って取り組むべきことはある程度絞り込んだ方がクリアになる一方で、振り返りの結果得られた前向きな意思はできるだけ広く言語化しておきたいからです。

ここでもポイントは、Ambitionの部分をみんな一致するために議論したりしないことです。それは目標設定やOKRを決めるときなど別の場で議論しましょう。ここでは個々人の感情をしっかり受け止めて、前向きな意思を最大限引き出すのが大事です。

5. 個人としての来年の抱負

個人の来年

最後に、個人としての来年の抱負を書き出します。

ここでも振り返りと同様に、プライベートなことも含めて書き出します。「結婚する」とか「子供が生まれる」とかは一大プロジェクトなので、ちゃんと入れておいた方がよいと思います。「プライベートなことなので仕事には影響させません」みたいなことを言わせる文化を作ると疲弊します。

アイスブレイクの過程も含めて自己開示しやすくなっているはずなので、小さなことまで含めてお互いの意思を共有しあっておくと、それだけで心理的安全性が高まって安心できます。

よりうまく運用するためのTips

全体を通じて気をつけたいのは、
・ネガティブなことは控えめに。ポジティブなことにフォーカスする
・誰も否定しない。感情を受け止め、気づきを得ることにフォーカスする
という2点です。これだけ守れていれば、それなりに有意義な時間になるはずです。

やってみるとわかりますが、意外と時間がかかります。全部一気にやると2時間くらいはかかるはずで、チームの人数が多いと1セクションにつき1時間以上かかるかもしれません。

また、これもやってみるとわかりますが、けっこうエネルギーが要ります。一日で全部やるとどっと疲れてしまうかもしれません。
そんなときは、「来年の抱負」部分は新年に持ち越して、「新年の抱負」としてやってみてもいいでしょう。

メンバーの気づきをうまく引き出せない場合は、第三者にファシリテーターとして入ってもらうのもオススメです。

個人でも一年の振り返りを

このフレームワークはチームだけでなく個人だけで実施してもけっこう役に立つので、みなさんも年末年始に1年の振り返りをする機会があれば、ためしに使ってみてくださいね。

では、みなさんよいお年を

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