見出し画像

野球を撮るときのシャッタースピードは?

ちなみに、正解のない記事になります
スポーツ写真を撮っている人同士でも「どのくらい?」と見せ合いっこすること多々。というのも、使っているレンズや撮影する環境(屋内・屋外)で全然変わってくるからということもあり、一概に「このくらい!」という正解がないので、撮りながら自分好みのシャッタースピードを見つけていく感じになります。

ただ、「いまこんな設定で撮っている」という個人的な備忘録も兼ねて、いくつかご紹介します。ちなみに、ペイペイドーム(屋内・LED照明で比較的明るい球場)で撮るときのイメージです。

シャッタースピードとは?

サイトによっては「SS」と表記されています。

シャッタースピードが遅いというのは、分母が小さいとき、すなわち「1/60」や「1/80」、「1/100」あたりです。ちなみに、「1/60」あたりまでが手持ちで手ブレしない限界だという感覚です。

シャッタースピードが速いというのは、分母が大きいとき、すなわち「1/500」や「1/640」、「1/800」、「1/1000」、「1/1250」…です。

シャッタースピードが遅いと写真は明るく、シャッタースピードが速いと写真は暗くなります。

スポーツを撮るならシャッタースピードが速い方が、動いている選手の動きをピタッと止めることができます。

しかし、シャッタースピードを速くすればするほど写真は暗くなります。すると何が起こるかというと。

●アプリでかなり修正しないといけない
 →せっかく一眼レフで撮っているのに画質が荒くなる
●ISO感度をあげないといけない
 →せっかく一眼レフで撮っているのに印刷したときにザラザラになる

シャッタースピードをできるだけ抑えつつ、かつピタッと止める、このさじ加減をカメラマンは日々模索しているというわけです。

野球を撮るときのシャッタースピードは?

おすすめ、ということではないのですが、私が今までペイペイドームで撮った写真を振り返ると、「1/800」で撮っている写真が一番多かったです。ほどよくピタッと動きを止め、ほどよく画面が明るく、といったところです。

ちなみに、ISOは4000を超えないように踏ん張っています。
自分の中でISO6400くらいまでは辛うじて許容範囲なのですが、印刷するとISO6400はザラつき始めるイメージで…。もちろん、機材によって高感度カメラだったりすると(ミラーレスカメラには多いイメージ)、ISO12800とかでもキレイに撮れたりするんだとか。

「1/800」で撮っている写真が一番多い、といいつつ、慣れてきてからは「投手撮るとき」「打者撮るとき」「ベンチ撮るとき」でシャッタースピードを変えています。というのも、よくよく見るとマウンドやバッターボックス、ベンチでそれぞれの照明の当たり方が異なるからです。慣れるとつまみをクイッと回すだけで設定そのものに関して難しいことはないので、明るさが違うそれぞれのエリアに合わせてファインダーを覗きながらつまみをいじっています。

ちなみに、試合がぐずぐずになって撮る気が失せてきたときはだいたい無難に「1/800」です。笑

投手を撮るときのシャッタースピードは?

ペイペイドームのマウンドはまんべんなく照明が当たっていて明るいです。さらに、投手の動きは個人的な感覚だと「1/800」で十分ピタッと止まります。

ちなみに、野球経験者や野球の動きを熟知しているカメラマンで「投手は1/400、または1/320で撮れる」と仰った方もいました。弓を引いている動作(ボールを投げる動作に入る直前)のときは一瞬動きが止まっているためブレないんだそうですが、私は無理だったので(笑)、1/800です。

※下記の写真は心折れて1/800で撮った「弓引いている」ときの動作

打者を撮るときのシャッタースピードは?

ペイペイドームの場合、バッターボックスも比較的照明が当たっています。そして投手を撮るときよりもちょっと早めの1/1250、時には1/1600でシャッターを切っています。

投手を撮るときと何が違うかというと、「できればボールの起動まで撮りたい」と思うからです。球団主催の野球教室で用語を知ったのですが、究極は「ミート」の瞬間を撮りたいな、と。(ミート:ボールとバットが当たること)

人の動作だけなら1/800で撮れましたが、ボールはそうはいきません。バッターが打ち返した打球速度の平均は160~170キロ。これを知ったからといって、じゃあベストなシャッタースピードがいくつかというのは分からないので(&計算する気力もないので)スルーしますが、できるだけ球を一緒に写したい。1/1600で撮ると肌感覚ですが3回に1回くらいは映ってくれる気がしています。

ちなみに。じゃぁ「速ければ速いほど球の軌道が撮れるじゃないか!」と言えばそうなのですが、速すぎると今度は何が起きるかというと、

●写真が暗くなってザラザラになったり加工しないといけない
●1度に連写できる枚数に限度があるのでバット振りかぶっている間に連写・SD書き込みが止まってフリーズする
●ほぼ同じ写真が量産されすぎてデータを圧迫する

ざっとこんなデメリットです。自分で撮ったことないけど競艇とかだと水しぶきをパチッと止めるために1/3200あたりまで上げたりするんでしょうか。あと野鳥を撮る方々は1/5000あたりで押さえるんだそう。

ベンチを撮るときのシャッタースピードは?

ペイペイドームに限らず、ベンチ付近は照明で照らされていないためとても暗いです。ベンチ内に蛍光灯が数本ある程度。それもそのはず、ベンチの中で選手が試合の準備や記録ができればいいので照らす必要がない&監督の険しい顔を照らしても(略)

それでも、好き好きですが写真撮っているとベンチの中での選手のやりとりって見ていて興味深いことが多く。そのため、ベンチ付近を撮るときはシャッタースピードを極力落としています。大丈夫です、ベンチ付近でマウンドやバッターボックスにいるとき以上に素早い動きをすることはほぼありません。

個人的にはベンチ前パフォーマンスのときは1/500くらい、ベンチの中で座って話しているときは1/400まで落としていることも多いです。


次回、F値について書こうかなと思いましたが、望遠レンズの場合F値はどのみち色んな意味で犠牲になりがちだから…と迷っております。笑

頂戴したサポートは日々の撮影活動および個展開催費用に充てさせていただきます。ありがとうございます。