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第6回「任天堂から『パラサイト』『SPY✖️FAMILY』『流浪の月』へ」

さて、前回の「枯れた技術の水平思考」ですが、例えばこんなことでは?と思った例をご紹介します。(このnoteでこんなこと書くのもなんですが…ネタバレを含みますw)

映画『パラサイト』
漫画『SPY✖️FAMILY』
小説『流浪の月』

これらの作品をご存知でしょうか。(知ってると思いますが)それぞれ、アカデミー賞受賞、1巻100万部突破、本屋大賞受賞などなど…押しも押されもせぬ大ヒット作品です。

僕がこれらの作品を読み(観て)、感じたアイデアに共通する設定(枯れた技術)。それは…

「世間的には許されないが、当事者達にとっては何よりも心地よい関係」

というものです。これらの作品はそれぞれ

「金持ちに寄生する貧乏人」
「偽りの家族を作るスパイ」
「大学生に監禁された女児」

が主人公となっています。なかなか特殊でよく言われる「感情移入できる主人公」ではないように感じます。ただ、少なくとも僕はどの主人公の言動に共感しました。現代において多くの読者、視聴者が「建前」や「一般常識」というものに疑問や違和感を抱えており、こいった境遇に共感を覚えるのかも知れません。

なのでこれらの作品、明確な「倒すべき敵キャラ」が存在しないのも共通しております。主人公達と対立するキャラはいても決してステレオタイプの悪人としては描かれていないのです。強いて言えば社会通念みたいなものが悪役であるとさえ感じました。

「周囲に許されない関係」というのは更に古くからある「枯れた技術」です。(『ロミジュリ』とか。)

この「枯れた技術」は他にも様々なタイプがあります。皆さんも「なんかこのタイプの作品好きなんだよなー」という時には意外な技術が使われているかも知れません。そんな視点で作品を見るのも創作の参考になるのではないでしょうか!

それではまた😄

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