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マニア向け:貨幣が生まれる瞬間

お金=法で定められたお金(法貨6%)+法に関係ない様々な決済手段(グレーゾーンのお金94%)ですね。 これを理解していない方はこちらを。

日本銀行券はコチラで紹介した通りですので

この記事は硬貨について。

◉モノとして

独立行政法人 造幣局 が製造する
➡ 日本銀行に運ばれる。(貨幣が日銀に交付される)
➡ 日本銀行から民間の金融機関にお金が出る
 ですね。

◉法律の視点

法律上は「法貨の発行前・後」があり、
日本銀行に運ばれた時点で「発行された」ことになります。
 (日銀から民間に出た時点を「流通した」と定義しています)

◉会計の視点(会計上の事実)


日銀に運ばれた時点・日銀の計上:
 ・資産=日銀の現金項目
 ・負債=(日銀の中にある)政府口座の「別口預金」

日銀から民間に出た時点・日銀の計上:
 ・資産=日銀の現金項目が減少
 ・負債=(日銀の中にある)政府口座の「当座預金」に移動
 ・負債=民間銀行の当座預金が減少

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*別口預金とは、「国庫金として納付された代用納付証券(小切手や無記名式の国債証券の利札等)や受払を行った貨幣(硬貨)等を計理する」もので
上記の当座預金、別口預金には利息がつきません。(詳細こちら

~ ~
政府での計上:
造幣局は財務省の管轄なので、
◉国から独立法人造幣局に出るお金は「運用交付金や出資金」という形で
財務省の会計の一部に計上される。
逆に
◉造幣局の余剰金は「造幣局納付金」として財務省会計に計上される。

*財務省の財務書類詳細に記載あります:リンクもーP27&48ー

つまり ①政府(財務省) ②独立法人造幣局 ③日本銀行 の3つが関わります。

~ ~ 参考文献 ~ ~
大久保和正 「政府紙幣発行の財政金融上の位置づけ : 実務的観点からの考察」(2004)

小栗誠治「中央銀行券の債務性と政府紙幣の特質に関する研究」(2010)

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