都知事選総括⑤山本太郎の得票
主にNHKの出口調査から、山本太郎はどんな層から得票できた/できなかったのか?を確認したい。
<男性に強く、30、40代に強い>
・山本太郎の知名度は9割超だと思う。
それに対し、宇都宮さんはどんなだろう。小野さんも無名ですよね。
そんな中で
◉宇都宮さん:男性でも女性でも太郎より得票が多い。
◉宇都宮さん:20代、50代以降で太郎より多い(10代不明)。
◉宇都宮さん:30代で太郎と互角、40代で太郎が辛うじて勝つ。
◉宇都宮さん:50代以降のボリュームゾーンで強い。
◉小野さん:男女ともに太郎とほぼ同じ。
◉小野さん:20,30,40代で太郎より多い(10代不明)。
男女の比較、年齢傾向ともに、小野さんと山本太郎は同じ傾向にあるためカニバった(=お互いを食い合う)と想定される。
とにかく
ここから分かること
◉山本太郎は高い知名度を有効に活かせていない
◉「30,40代に強い」と言っても、実はそんなに強くない
◉多くの投票者たちは「山本太郎を知っているが投票しない選択」をし
◉宇都宮、小野陣営は「知らないけど入れよう」と思わせるのに成功した。
*なお、18,19歳において小池投票が7割超ということ。要注意
<山本太郎がなぜ女性からの得票が少ないか?>
ひとつボランティアや選挙活動を通じて感じたのは「良いことは言ってるけど、それって本当にできるのかしら?」「出来ないことばっかり言って、後でがっかりするの嫌だわ」という反応。
そして「イキナリ都知事と言っても無理でしょ・信頼できない」「批判だけ声高に言って無責任な」「単なる目立ちがり屋」といった既存の野党政治家像(蔑視)を覆すことができなかった点にあるのではないか?
コチラの記事も参考
<高学歴の有権者は高学歴を選ぶ可能性が高い>
コチラの記事、趣味ですしデータも最新じゃない...とのことですが、十分に成り立つ仮説ですよね。
僕が解釈するに
◉高学歴(東大の宇都宮、小野)は高学歴の方からの得票が多く
逆に低学歴の方からの得票が少なかった。
「高学歴はターゲットにしにくい」というのはひとつの仮説としてもっておこう。
<知名度の高さにあぐらをかいている!>
ともかく
認知度で圧倒的に差がある候補者にも負ける、
この事実を受け入れることがスタート地点
この問題を解決しない限り
「知名度がある=無党派層にポテンシャルがある=自分たちは新たな挑戦をしている=不可能じゃない=頑張るしかない!」というロジックから抜け出すことができない。
それでいいのか!?
無論ダメである。
どうすればよいのか?
解決策を見つけるヒントに小野たいすけさんの戦略を見てみよう。
<小野さんは2ターゲットから効率的に集票>
下記がニュースでもよくみた
支持政党別の候補者得票割合です。(支持政党割合は独自の加重平均)
各候補のTOP2を太字にしていますが
◉小池ゆり子は 「自民党+公明党」=35%+3%をターゲット
◉宇都宮けんじは「共産党+立憲」=5%+8% をターゲット
◉山本太郎は 「れいわ+共産」=2%+5% をターゲット
としていて
宇都宮、山本はともに2メインターゲット全部取っても
7~13%で勝負になりません。
◉小野たいすけは「自民+無党派」=35%+33%(計68%)をターゲットとしていて各11%しか取っていないのに結果的に61万票です。
小野さんは「大きい2票田だけをターゲットにして効率が良い」ですね。
どうでしょう?
「いやいや分かってるって。」
「最初からターゲットは大票田の無党派って太郎も言ってる」でしょうか。でも、大きな成果を出していないんです。
下記の方がイメージしやすいですね。
<4つの選択肢がある>
これはマーケティングでいう基礎のキ。
ターゲットの設定ですね。 そこをきっちんと「覚悟して決める」必要がある。 「何を捨てて、何を得るか?」
◉1:自民党(33%)を狙う
-無党派層よりは少ないが比較的同質性の高い層かつボリュームがある
◉2:無党派層(42%)を狙う
-大票田に見えるが「実際はいろんな方がいる」点に留意する必要があり、「さらなるセグメンテーション(分解して特定)が必要」になると思われる。
◉3:自民と無党派の両方/例えば「高齢者」「低所得者」とかそういうくくりでターゲットする
◉4:アンチ自民(既存野党)すべてをターゲットにしつつ、それを拡大してゆく。
れいわ新選組の今後への提案は別途してゆきます。
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