子どもの問題行動にどう対処するか②

「プロとしてやらないとダメだ」
放課後、Sさんの件について学園長が話しかけてきた。こういうのは珍しい。
いつもは僕の失敗を嬉しそうに見ているだけなんだけど。

きっと上手くいかないけど、奮闘してる僕の姿に感動したのだろう。
(いや、あまりにも不甲斐なさすぎて口を出すしかなかったのかも…。うん、こっちの方だ)

学園長に言われた。

「望ましい行動を増やすこと」
「望ましくない行動を減らすこと」
問題行動への対応は、この2種類になる。

つまり、
望ましい行動が増える。
望ましくない行動が減る。
このどちらかが起れば、良い指導となる。

今回の柏田の指導はどうだったか。
望ましい行動は増えていない。
望ましくない行動も減っていない。
どうしてか。

彼女の問題を分析すると。
行動の理由は「要求(やだやだ)」と「注意喚起(見て見て)」である。
そして、根本原因は「対人的原因」

つまり、
構ってくれる人がいないのが嫌で。
叫ぶことによって、構ってもらうという報酬を得ようとしている。
こういう場面でやってはいけないのは、間違えたやり方に対して報酬を与えること。
これをやると行動はエスカレートしてしまう。

柏田は、「騒いでもダメです」と言葉では言っているけど、実際は個室で二人で時間をとって話すというふうに、すごく構っている。

つまり、騒いだら、柏田先生が来て、個室で構ってくれるっていう構造。
柏田先生が騒ぐトリガーになってしまっている。

柏田は「望ましくない行動を減らすこと」をしようとしたけど、その前にもっと、どうしたらいいのかを教えるべき。
今回は「望ましい行動を増やす」方にターゲットを絞るといい。

さて、どうやって望ましい行動を教えるか。