柏田良男

柏田良男

最近の記事

オンラインで行う特別支援教育

コロナウィルスで全国の学校教育が止まっている。 多くのEdTech企業がデジタル教材を無償化して提供してくれた。 とてもとてもとても価値のある動きである。 でも、それだけでは特別支援が必要な子どもには届かないの現実だ。 通常の学級の活動に適応しにくい子どもたち。 やっぱり、教材が提供されるだけでは取り組む事ができない。 デジタルの世界にも特別支援が必要で、 認知特性に合わせた教材配列、 彼らの特性に合わせた環境調整、 感覚統合など身体面からのアプローチ。

    • 子どもの問題行動にどう対処するか③

      Sさんが構ってもらえる仕組みを作る必要があった。 そして、Sさんに具体的な行動を教える必要があった。 そこで、教室の後ろにベンチを置いた。 名ずけて「コミュニケーションベンチ」 朝、学生全員を集めて話した。 「寂しくなっちゃう時、人に構って欲しいと思う時あるでしょ。そういう時に座るベンチを作っちゃいました!寂しくなっちゃった人はここに座りなさい。そしたら、必ず誰かが話に来てくれます。柏田先生もとんできます。授業中でもいつでも使えます。」 「翔和学園の先輩たち!ここに座っ

      • 子どもの問題行動にどう対処するか②

        「プロとしてやらないとダメだ」 放課後、Sさんの件について学園長が話しかけてきた。こういうのは珍しい。 いつもは僕の失敗を嬉しそうに見ているだけなんだけど。 きっと上手くいかないけど、奮闘してる僕の姿に感動したのだろう。 (いや、あまりにも不甲斐なさすぎて口を出すしかなかったのかも…。うん、こっちの方だ) 学園長に言われた。 「望ましい行動を増やすこと」 「望ましくない行動を減らすこと」 問題行動への対応は、この2種類になる。 つまり、 望ましい行動が増える。 望まし

        • 子どもの問題行動にどう対処するか①

          「望ましい行動を増やすこと」 「望ましくない行動を減らすこと」 問題行動への対応は、この2種類になる。つまり、 望ましい行動が増える。 望ましくない行動が減る。 このどちらかが起れば、良い指導となる。 「ぎゃー!!!」 ロッカーのある教室から大きな叫び声が響いてくる。行ってみると、Sさんが大泣きしている。 彼女は1月から、大学部に通ってきている学生だ。16歳の女の子。 そのSさんが教室のドアをふさいで、仲間が通れないようにしていたのだ。 帰りの時間だったので、ドアをふさが

        オンラインで行う特別支援教育

          コロナで学校が休みだからこそ生まれるもの。

          NPO法人翔和学園。自閉症スペクトラムの子どもたちが通ってくる学校である。 コロナウィルスで小中高等部は、 臨時休校。 3月15日まで子どもたちはお休み。 予定していた卒業式も延期になった。 前に似たようなことがあったのを思い出す。 東日本大震災の時だ。 教室で授業をしているとき、グラグラグラっとロッカーが揺れだした。窓の外の電柱もすごい揺れ。 急遽、職員室に対策委員会を設置された。 ほとんどの子どもが電車通学だったので、そのまま帰すわけにはいかない。 保護者に連絡を取り

          コロナで学校が休みだからこそ生まれるもの。