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駐在員家族向けコーチング立ち上げまでの話

こんにちは、中国語学習コーチの伊地知(@taroijichi)です。
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今回はthe courageが語学コーチングではなく、海外駐在員のご家族向けのコーチングサービスを開始したので、その立ち上げまでの経緯について簡単に紹介させていただければと思います。


きっかけは語学コーチングの受講生アンケート

the courageの中国語コーチングでは中国駐在員の方や、そのご家族の方が確実な成果を求めてご受講されることが多いです。渡航前の準備として中国語を学ぶ方はもちろん、渡航後、より効果的に中国語力を伸ばしたいということでご受講されることもあります。

ご受講生にはいつもコース修了後、コースに対してのご意見・ご感想をお伺いするアンケートをとっているのですが、ある時、駐在員ご家族の方から、すごく長文での回答がありました。

細かい内容は掲載しませんが、内容の一部を要約すると以下のようなものです。

最初、すごくひっかかったコーチの質問があります。なぜひっかかったのかを考えると、駐在員の家族は急に自分の生活やキャリアを断って(うまくいけば一時中断して)明確な期限の定めの無い中海外で過ごすことになり、自分自身での選択が難しいことばかりで、そうした状況に対してすごくモヤモヤを感じているからだと思いました。

もちろん誰にでも悩みやモヤモヤは発生し得るし、海外駐在員本人も大変なことばかりだと思います。

ただ、駐在員本人は自分の仕事で派遣される一方、そのご家族は、それに伴って日本での自分の生活や仕事を一度ストップして中国(海外)に行くことになるので、なんとなく考えていた生活やキャリアの延長が急に途切れたり、かつVISAの関係で駐在先では仕事はできないということも多いです。

さらには、そうした不安を話したくても、コミュニティーの中で話して良いのかと考えるとブレーキがかかるなど、不安を解消できずにいることがあります。

中にはそうした状況の根本的な原因(社会のあり方など)に不安だけでなく怒りを感じる方もいます。

the courageでは元々語学学習だけをサポートしているつもりは微塵もなく、関わる方の人生をまるっと応援したいという気持ちで語学コーチングを行ってるので、語学コーチングの中でそうした気持ちをお伺いすることもあります。

ただ、どうしても語学での成果を出すことが命題にあるので、そうしたライフコーチング的な要素は限定的になります。

そこで、これは外出しにして、もっと徹底して向き合い、サポートしたいと感じたのがはじまりです。

モニターのトライアルで出てきた新たな課題

サポートしたい、という想いだけはありつつ、具体的にどんなサービスを提供したら本当に意味のあるサポートになるのかがわからなかったので、まずはサービスを作り、それをモニターの方に受けていただくことにしました。

最初にやったのはコーチングのコース設計です。

全部で何回セッションを行い、各セッションではどんなことをするのかの大枠を決めるというものですね。

私は過去にメーカーで海外人事の仕事をしていたので、駐在員の方がどのようなフローで派遣されるのか、一般的な企業のサポートの状況などは把握していますし、キャリアコンサルタント(国家資格)でもあります。

なので、そうした知見をもとに、誰がコーチをやってもクオリティーに差が生じないよう、体系的なワーク(取り組む課題のようなもの)を中心にして、そのワークを実施しながら、コーチがクライアントと一緒に分析・深掘りをするものにしました。

各回で実施するワークについても、毎回しっかりと得られるものがあるように、さらにコース全体でも着地がハッキリするように、試行錯誤しながら作り込んでいきました。

で、実際にモニターの方に受けていただいたら…

ワークで想定していた悩みからは外れることが多く出てきてしまい、思ったほどの効果を得ることができませんでした。

そこで感じたのは、ワークをベースにすると、それなりのものにしかならないということ。

もともとの発想が「誰がコーチをしてもクオリティーに差が生じない」というところからだったので、それなりの均一的なものになってしまったんです。

これはthe courageが語学コーチングでも大切にしている「一人ひとりを徹底してサポート」というものではありません。

なので、時間をかけて作ったワークでしたが、いったん白紙に戻して、どんな悩みでも構わないので、お話をお伺いしながら対話を重ねる、一般的に言うライフコーチングのような形をベースにすることにしました。

ただ、そうなると今度は相当信頼できるコーチでないとアサインすることができません。

そこで、the courageコーチの中でも、駐在員のご家族をサポートしたいという強い気持ちがあり、かつ「国際コーチング連盟アソシエイト認定コーチ」であるコーチと一緒に進めることにしました。

つまり、結局そこそこのサポートではなく、やっぱり自分たちが納得いく、本当に意味のあるサービスにすることにしたという感じです。(ビジネス的にはそこそこの均一サービスという選択が正解かもしれませんが、語学コーチングでも、少なくともそれはthe courageがやることではないと思ってます)

最終的に今の形に

そして、更にモニターの方にトライアルをお願いする中で、コーチングだけでは解消がしにくいと感じる事も出てきました。

それは

・すでに駐在同行したことがあるご家族の方に現地の様子を聞きたい、相談をしたい
・具体的にキャリアについてのアドバイスが欲しい

などです。

そこで、the courageの駐在家族向けコーチングとしては、「有資格のコーチによるコーチング」「メンター(先輩)への質問・相談」「キャリアコンサルタントへの相談」と、あらゆる方面からサポートできる体制としました。(メンターについては現在中国駐在に限ってます)

メンター(先輩)についても、the courageに関わってくださっていた方からの紹介で、ただ経験が豊富というだけではなく、駐在員ご家族を心から応援したいという、信頼できるメンターにお願いすることができました。

最後に

最初は想いだけ先行で「やるぞ!」と思ったものの、想いとクオリティーに乖離があり苦しみました。

そんなことを周囲に相談させていただく中で、一緒に進めてくれる仲間が現れ、ようやく形にできました。

語学コーチング同様に、今後も改善を加えながら、より良いものにできるよう精進して参ります。

そして、みなさんが理想の状態に近づけるよう、全力で応援します。


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