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裸の王様のキモチ

 えー、アンデルセンさんの有名な童話に「裸の王様」なんてお話がございます。「バカには見えない生地で作った洋服」を着た王様が、パレードをしたものの、見物していた子どもに「王様は裸」と指摘されて、笑われるというお話、ご存じの方も多いと思います。
 また、慣用句としましては「周囲に諫める者がおらず、現実的な課題や危機に気がつかない」方を揶揄するような場面で使われる言葉でもございます。

 しかしまぁ、このお話、あんまり笑えないお話なのでは、と感じる部分もありまして、本日はそのあたりについて踏み込んでみたいと考えております。

 さて、常識的に考えれば、付き合いもない仕立て屋が、いきなり王様に服を売るなんてことはできない訳でございまして、王様に謁見するまでには、複数の部下がチェックしているだろうと考えられます。
 ということは、仕立て屋が王様を騙そうとしていることを、部下たちが見抜くことができずに、お目通りを許してしまったことになります。

 このような状況を踏まえますと、王様は、こんなことを考えたかもしれないと思うのです。
「この仕立て屋、ありもしない洋服で儂を騙そうとしているのか。
 ここで、仕立て屋をペテン師として捕えることは簡単なこと。しかし、その場合は仕立て屋だけではなく、ペテンを見抜くことができなかった部下にも、何等かの罰を与えなくてはいけないだろう。できればそれはしたくない。
 部下たちの生活を守ることが、何よりも大切な儂の仕事。仕立て屋にしても、何か金が必要な理由があるのだろう。儂が騙されることで円く収まるなら、それも良いか。ここまで部下たちを騙しとおした、ペテン師たちの演技に対しての褒美をとらすとしよう」

 こんな心情がございましたことから、王様は「バカには見えない生地」で作った服を購入したのではないかとも考えるわけです。
 「裸の王様」は実は誰よりも「優しい王様」だったのではないかなぁと。私も時々、部下のペテンに対して、騙されることを甘受することがありまして、王様の気持ちを忖度してしまうわけです。

 さて、時代が変わりまして現代、洋服の仕立て屋はあまり見なくなりましたが、ありもしない「問題」や「事件」を仕立てあげる「メディア」の方々がいるようでございます。
 この方々は布地は使いませんが「バカには読めない記事」を流布することで、人々を誑かそうとしているようであります。お気をつけくださいませ。

 ということで、いつもとは少し異なる展開でしたので、少し補足させてください。
 2日前に投稿した「神様になったお役人」という記事について、「冒頭に村長の話を入れ込み、落語の人情噺風に一人語りでまとめてた方が良かったかな」なんて考えておりましたら、本日、昼には林家三平師匠を偲ぶ事案がありました。
 事案について周囲には気づかれないように帰宅した太郎ですが「実は、みんな気づいていたけど、太郎を傷つけないよう黙っていてくれたのかも」とも考えて、本日の記事となりました。それでは、林家三平師匠、再度、お願いします。
「お母さん、パンツ破れちゃったよ」
「またかい?」

 明日は別のスーツで出勤する予定ですが、ウエストが入るのかを懸念しています。こういうふざけた話は少ないですが、拙著の御紹介です。
 それでは、夢枕 獏先生、お願いします。
 この本は、ぜったいにおもしろい。
 そして
 学陽書房さん、連絡をお待ちしています。





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