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執事はエンディングを迎えていない #創作大賞感想

 みなとせ はるさんが書き上げた【執事はバッドエンドを導かない】、創作大賞2024・ファンタジー小説部門応募作品ということで、まずはリンクを貼ります、こちらです。

 連載作品でしたが、どの話も投稿したその日に追いかけるように読ませていただきました。感想文ですがネタバレはしませんので本稿を先に読んでも問題は無いと考えています。

 読了した私の心の第一声が、良い意味で
『俺は、いったい何を読んだのだろう』
という戸惑いでした。あらすじの最後に
【ファンタジー×ダーク×ミステリ】
とありましたので、そういう心構えで読んでいたら異なる印象だったのです。どの分野でも間違いはないけど、そういう分類では納まりきらない独自の世界が繰り広げられていました。

 壮大なサーガの第1話だけを読み終えたような気持ちで
『これは完結というより、第1話おわりですか』
という、気持ちで続きを期待したくなり本稿のタイトルを
【執事はエンディングを迎えていない】
としてしまいました。

 古い作品になりますが、菊地秀幸先生の『吸血鬼ハンター"D"』シリーズの1巻を読み終えた時と同じような印象を抱きました。
『この物語は、この美しい主人公は、この後どのような運命を迎え、どのようなエンディングを受け入れるのだろうか』

 エピローグまで含めて「24話」もありますし「小説部門」に応募で、現時点で5万文字を超えているのですが、そのボリューム感を感じさせない読みやすく早いテンポでお話が進みます。
 完結していますので、隙間時間に少しづつ読むよりも一気読みをお勧めします。この世界にどっぷりと浸かりながら、映画館で映画を楽しむように緊張感を抱きながらエンディングまで楽しんでいただきたいものです。

 主な登場人物が5人、孤島にあるお屋敷、期間が一週間という設定がテンポの良さを生み出しているのかもしれません。一癖も二癖もある魅力的な登場人物たちを紹介するようなエピソードを重ねながら物語が進み、主人公の心が変化していきます。
 本編は1週間だけですが、主人公の解き明かされていないエピソードを含め、続編、過去編を期待したくなります。

 みなとせ はるさんは2作品のkindle出版をされており

 私はnoteよりも先に、こちらの小説を拝読しましたので「みなとせさんと言えば青春小説」という先入観もあり、今回の【執事はバッドエンドを導かない】に対して
『俺は、いったい何を読んだのだろう』
という戸惑いを抱いたのかもしれません。

 が、kindle作品と
【執事はバッドエンドを導かない】
に共通しているのは、著者の優しい視点です。執事は
【ファンタジー×ダーク×ミステリ】
という領域の作品のようですが、バッドエンドにはしない著者の優しさを信じて作品を楽しんでいただければと思います。

 そして、読み終えたら私に続いて
「執事の続きはどうなってますか」
と著者に圧をかけていただくようお願いしたいと考えています。
 繰り返しになりますが「一癖も二癖もある魅力的な登場人物たち」が織りなす不思議な世界、巨大なサーガがどのように広がるのか。

 これからも、一緒に楽しみませんか。

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#執事はバッドエンドを導かない


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