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【創作大賞感想】残夢

 こちらの作品が完結しました。

ネタバレはないので安心してお読みください。
『なんちゅうもんを なんちゅうもんを読ませてくれんのや』
という感じです。ミステリーとして楽しませていただきましたが、心に残る「黒いモヤモヤした塊」をどうしてくれるんですか?責任とってくださいよ。という感じでもあります。
 この小説で初めて「イヤミス」という言葉を実感しました。

 あらすじには『リアルな日常と闇を描く警察ミステリー』とありましたが、闇部分が多すぎじゃないでしょうか。まぁそれがリアルな世界に生きているということかもしれません。

 主人公と容疑者の関係性、背景にある過去の事件について、暗い森の中を掻き分けて進むように、先が見通せないまま物語が展開していきます。
 そして脇を固めるトリッキーなくらい個性的な登場人物たちが応援しているのか邪魔しているのか、読者を混乱させてくれます。

 それぞれがの登場人物が抱える心のヤミ(闇と病みを掛けています)が重なりながら、主人公が事件と謎の本質に近づいていきますが、何ということでしょう、エンディングを迎えて事件が解決する爽快感よりも、まとわりつくような怖さが残ってしまいました。

 全体を通じての展開は「見たいような見たくないような、未知への怖さ」がありますが、物語としての展開はとても練り上げられていて、登場人物たちも書き分けられているので、安心して読み進めることができます。

 作者の豆島さんとお話する機会があり
「後半、ちょっと展開が早いというか、短いというか」
と言ってしまいましたので、その後に自分を叱っておきました。
『お前、何、偉そうに言ってるんだ、何の実績もない馬鹿者が』
 「残夢」という物語は、とても完成度が高いので、余計なことを言ってしまったとも感じていますが、真意を加えさせていただければ、
『もっと、楽しませて欲しかったのです』
という読者としての我儘なのです。
 
 現代と過去が交差する展開なので、過去から繋がる解決への道に『脇を固めるトリッキーなくらい個性的な登場人物たち』を登場させるのは、難しいと思いつつ、「あのキャラをもっと読みたかった」という我儘な気持ちを豆島さんに伝えてしまいました。

 ちなみに、このイベントで御一緒させていただきお話をさせていただきました。創作大賞に参加されている方に、是非読んでいただきたいレポートです。

 また、豆島さんは現在、もう一本の作品を創作大賞2024にエントリーしています。

 こちらの作品については、イベントに参加していた「花丸恵さん」が大絶賛していました。私も激しく同意したところです。是非、こちらもお読みいただければと思います。

 話が脱線してしまいましたが、『「重い」「イヤミス」が好き』が書き上げた「イヤミス大好き」な方向けであり、そうではないもグングンと引き込まれる「残夢」、お楽しみいただければと存じます。
#何を書いても最後は宣伝
 イベントの一画で、豆島さんと遊んでいた3人のエントリー作品がこちらです。






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