T.Imamura

書籍編集者。コンピュータ関連の実用書、ビジネス書の編集を手掛けています。

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最近の記事

開高健ノンフィクション賞『MOCT』を読んで。

十何年ぶりに、桑野塾に参加してきました。今回は開高健ノンフィクション賞を受賞した『MOCT「ソ連」を伝えたモスクワ放送の日本人』(集英社、2023)の著者、青島顕さんが講演するということで、本書を面白く読んだ一読者として、生の話を聞いてみたくて行くことに。 MOCT(モスト)は、ロシア語で「橋」「架け橋」を意味します。個人的にも、一時期、ロシアと日本の文化交流の架け橋になりたいと思っていた私としては、今なお嫌われ続けている国の情報を公式の国際放送で伝える際の心情とか、メンタ

    • 元日の夜をひっくり返した三人の酔客

      外食をしているとき、見ず知らずのおじさんが話しかけてきたら、みなさんどう思うでしょうか? それも飲み屋の席で、酒気を帯びたおじさんが割って入ってきたとしたら、どう対応するでしょうか。 あんまりいい気分にはならないでしょうね…… とくに、友人や家族で楽しく話していたとしたら、なおさらです。 「なんで、割って入ってくるんだろ」 「俺らの話、今まで聞いてたんだ……」 と薄気味悪く感じるに違いありません。 しかし、2022年元日に遭遇したおじさんは違いました。むしろ居合わせた人

      • 猫に道をゆずってもらった話

        住宅街の道端で、猫とすれ違うのはよくあることですが、道をゆずられるというのはあまり経験がないのではないでしょうか。 先日、自宅への帰り道で猫と遭遇しました。 石段のある坂道で、周囲は民家の塀や生け垣に囲まれているので、実質一本道のようになっています。わたしは石段を上っていて、猫は下っていて、坂道の中央付近で鉢合わせしました。 わたしはなんとも思わずに、そのまま狭い道をすれ違おうとしました。この石段の幅は狭いので、人間同士ですれ違うときには、お互いに「お先にどうぞ」と心で会

      開高健ノンフィクション賞『MOCT』を読んで。