何かに打ち込むこと。
現代はとにかくなんでも手を出すことができています。
それは、私たちに自由という恩恵をくれている反面、自由であるが故に縛られてしまうという弊害も持っています。
どんな物事にも、人の価値観によって形成される多面的な見方があり、それによって私たち人間は、時に争い、そこから対話を通じて和解し、相手への理解へと変わっていくのだと感じます。
さて、今回はそんな哲学チックな内容ではなく、もっと身近な内容です。
現代には選択肢が多いがゆえに縛られているということを聞いてピンとくるでしょうか?
例えば、以下の2つの指示があったとします。
①渋谷駅へ向かってください。交通手段は好きなものを選択してください。
②とりあえず好きな交通手段を使って好きな場所に行ってください。
①は適度な縛りがある状況です。これならば、私たちはあまり考えずにすんなり行動に移すことができるでしょう。
②の場合はどうでしょうか?
いきなりどこかへ行けと言われても、頭にクエスチョンマークが浮かんでしまうだけです。
現代の若者(いわゆるZ世代)は、こう言った状況に陥っています。
なんでも手を出せる。
先のどこかに行ってきてという指示のように、Z世代の人間はどんなことで割と簡単に試せて、かつ選択肢が多いという状況です。
だからこそ、とにかく迷ってしまいます。
まだ選択肢が少ない頃は、目の前にあるものをこなさなければなりません。
原始時代は、目の前にいるマンモスを討伐しなければ生きていけませんでしたから、「どうやって討伐するか?」というアクションの中身に意識がいくわけです。
現代は、「あれもできるしこれもできる。それもやりたい。」という状況であるがゆえに、「何をするか?」というところから考えなければいけません。
ひと昔前のビジネス書でよく言われていた、「とりあえずやってみる」というのはこういった時代背景があるがゆえに生まれた考え方なのだと思います。
成果が出るまでやってみる。
なんでもすぐに試すことができるという自由な環境であるがゆえに、続けることが嫌になってしまうという弊害があります。
ちょっと壁にぶつかったくらいで、
「ああ、上手くいかない。多分向いていないんだ。」といって、取り組んでいることをやめて次のことをやってしまう傾向にあります。
文字通り、器用貧乏です。
こうならないためには、とにかく結果が出るまでやってみることが重要です。
とにかく結果を出してみるまでは、そのことに向いてるのかどうかを判断するのには早計です。
最後に、私の大好きな『宇宙兄弟』の名言をお伝えします
主人公である南波六太が、宇宙飛行士を本気で目指すかどうかを迷っている時に、子どもの頃からお世話になっている金子シャロン博士に相談した時に言った言葉です。
音楽で言えば、音を出すことが結果を出すことで、音を出してみるまではどの楽器が自分に向いているか、自分にとって金ピカ(本当に好きなこと)なのかがわかりません。
やり切ることでしか見えてこない景色は確かに存在します。
最後までやり切って、そこから本当に自分は何がやりたいのかを判断するようにしていきましょう。
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