セールスエンジニアって何?仕事内容からキャリアパスまで

セールスエンジニアという職種について耳にされたことがあるでしょうか?何かを開発するエンジニアという職種は皆さんご存じかと思いますが、"セールス"エンジニアに関しては、まだまだ知名度が低いかなと感じています。

セールスエンジニア職は、一言でいうと「営業職とエンジニア職のちょうど真ん中の仕事」で、実は「コミュニケーション力があって技術知識も豊富」な方にぴったりの職種なんです💡

  • IT系のエンジニアだけど人と話すのも好きな方

  • 自分はコミュニケーション力が高いほうだと思う方

  • 周囲から、プレゼン(説明)が上手いねと言われる方

  • 技術知識も磨きたいし、営業にも興味がある方

こんな方にはぴったりのキャリアなので、もっと多くの方にセールスエンジニアのキャリアについて知っていただきたいと思っています。こちらの記事では、セールスエンジニア歴4年、現在はシリコンバレーの日本人女性セールスエンジニアであるPistachioより、セールスエンジニアの仕事についてご紹介させていただきます!

セールスエンジニアとは??


セールスエンジニアは、別名、プリセールスや技術営業とも呼ばれます。仕事内容を簡潔に言うと「営業チームの一員として、お客様が自社製品を購入される際に出てくる技術的な課題の解決をサポートする仕事」です。

別名"プリ"セールスと呼ばれる通り、主にはお客様が購入する"前"の段階に関わるがポイントです。具体的には、

  • 営業と社内ミーティングに同席し、営業目標を話し合い、各お客様単位でどのように営業目標を達成するかについて話し合う

  • お客様に技術的なヒアリングを実施し、自社製品のデモ・プレゼンテーションを行う

  • お客様に製品を使いこなしてもらうために、購入前(または直後)にハンズオンを実施する

  • マーケティング活動の一環で、社外イベントに技術担当のスピーカーとして登壇する

といった業務が主になります。

他にも、自社製品の知識をアップデートするために自主学習の時間をとったり、他社製品の勉強のために時間を使うこともできます。

「セールス」と名前がつくため、自分で営業もしないといけないのかと思われるかもしれませんが、お客様を自分から探しに行ったり、契約交渉をするといった、いわゆる「営業職」ではありません。お客様担当の営業さんは別にいて、その方とチームを組んで働くイメージです。

つまり、セールスエンジニアは、「営業さんが営業目標を達成して成功できるように」、かつ、「お客様の購入の意思決定に必要な技術的な成功をもたらせるように」、営業さんとお客様を支援していくような構図になります。

セールスエンジニアのメリット


★営業スキルも技術スキルも磨ける

営業スキルは、コンサル力、計画実行力、コミュニケーション力、プレゼン力など、どこに行っても必ず役に立つ総合的なスキルだと思っています。営業さんとチームを組んでその仕事ぶりを間近で見れることで、毎日多くのことを学べます。技術スキルを持っていれば、将来転職する際にも役に立ちます。

★感謝されることが多い
前職ではSIerだったため、デリバリー部隊に配属されることが多く、すでに契約済みの案件で工数を消費しながら成果物を作ることが仕事でした。納期内に仕事を終えられても、お客様からすればお金を払っているので「当たり前」のことをしたまででしょ、と思われるので、感謝されることはほとんどありませんでした。

ですが、セールスエンジニアに転職してからは、職務の性質上、お客様の課題を解決する、営業チームの目標達成をサポートするというのが主な仕事なので、仕事をするだけでお客様からも営業チームからも感謝されるようになりました。当たり前のことをしているまでではありますが、周囲から感謝される環境で仕事ができることは精神衛生上も良いと思います。

★お給料が高め
セールスエンジニアは営業部門に所属することが多いです。営業部門の傘下に、ザ・営業チームとセールスエンジニアチームが存在する感じですね。

そのため、自分も所属としては営業チームの一員となるわけですが、営業チームは、そもそも会社にとって利益を創出する部門なので、給料レンジが比較的高めに設定されています。

営業部門は基本給 + Commissionの割合が 5:5だったり、4:6だったりすることが多いですが、セールスエンジニアは7:3や8:2など、基本給の割合が高いです。そのため、安定した収入となる基本給が高めとなるのもメリットの一つです。(会社によって違うので、転職の際はRecruiterに確認してください。)

★個人の営業ノルマが無い(場合が多い)
「ザ・営業さん」といえば営業ノルマがありますが、セールスエンジニアは個人の営業ノルマが無い場合が多いです。全くないのではなく、セールスエンジニアのチーム全体でXXX円の達成目標という風に、チーム単位、部門単位で決まっています。個人に紐づくノルマが無いので、それだけでかなりストレスは抑えられますし、チーム全体で頑張れば達成できるという空気感になるので、おのずとチームワークも生まれます。

セールスエンジニアに求められるスキル


  • チームワーク

    • 営業サイクルには複数のチームがからんでおり、自分のセールスエンジニアのチームのほか、営業チームやサポートエンジニアチーム、アーキテクトスペシャリスト等と協業してお客様を支援することになります。分からないことがあったときに周囲を頼れること、困っているチームメイトがいたら助けてあげること、などが自然とできると良いです。

  • 技術力

    • 自社が販売する製品に関する技術知識とその周辺の技術知識をしっかりと身に付けます。

  • 営業力

    • 営業チームの一員であるため、営業サイクルの理解や、買ってもらうために言うべきこと・言わないべきことのタイミングを感知する、など、基本的な営業力は必要になります。

  • コミュニケーション力

    • 技術担当とはいえ、最終的にはお客様に自社製品を買ってもらうのがゴールですから、きちんと技術的な説明をしつつ、好感をもってもらえる話し方を心がけるのは大切です。

  • コンサル力

    • お客様のビジネス課題を解決するために、自社製品のどの製品がどう役に立つのかを考える際に、コンサル力は必要になります。

上記は私の主観ですが、転職する際には募集要項に必要なスキルが書かれているのでチェックしてみてください。

セールスエンジニアに転向しやすい職種

  • エンジニア(技術知識があるのに加え、お客さんとのコミュニケーション経験があるとなお良いです。)

  • 営業

  • ITコンサルタント

  • プロジェクトマネージャー

  • カスタマーサクセス(ポストセールスとも呼ばれる、お客様が製品を購入した後の支援のチームです。)

キャリアパス

上記の、「セールスエンジニアに転向しやすい職種」のリストは逆方向にも適応できますので、セールスエンジニアからのキャリアパスとしても検討可能です。以下は、私が見聞きしてきた経験から、実際に存在するキャリアパスを紹介します。

★セールスエンジニアのプロを目指す
営業スキルと技術スキルをどちらも学べるのがメリットということは、逆にいうとどちらのスキルも磨く必要があり、セールスエンジニアの仕事はなかなか奥が深いです。セールスエンジニアの中でも、Associate, Senior, Lead, Principleなどのレベルがありますから、セールスエンジニアとして上に向かっていく、というのは一番よくあるパターンです。

★チームのマネジャーになる
セールスエンジニアの実地経験を積んだあとに、マネジメントスキルをつければセールスエンジニアチームのマネジャーになることも可能です。実地経験があるため、部下に的確なアドバイスができるため、メンバーからも信頼されやすいです。これは私が今まで見てきた中で、二番目に多いキャリアパスだと思います。

★プロダクトマネジャー(開発チーム)になる
セールスエンジニアとして働いていると、「もっとこんな機能があれば良いのに」「この機能は改善してほしい」など、販売する製品をもっとよくしたい!という気持ちが出てきます。お客様の声を一番近くで聞いているのがセールスエンジニアですから、その声を製品に反映させられるプロダクトマネジャーへの異動は会社からも歓迎されます。

以上がセールスエンジニアの仕事の紹介でした。セールスエンジニアは強力なキャリアになりますし、認知度が高まるにつれてこれから人気が出てくる職種なのではないかと思います。このnoteが、今後のキャリアを考えてる方の参考になれば嬉しいです。


最後までお読みいただきありがとうございました!
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