入院患者のQOL

病気あるいは怪我をした場合、入院という事態を避けられぬことがある。入院生活では、病気の治療だけでも大変なストレスがかかるが、それ以外に生活の面で大変にストレスを感じるものである。
プライベートな空間は四方カーテンに囲まれた範囲のみ。大しておいしくない食事(病院によってはむしろまずい)。隣のうるさい患者。声もかけずに勝手に入ってくる医者や清掃員。鳴りやまない点滴ポンプやナースコールを押しても全然来ないナース。そして、いつ終わるかも定かでない特に変わり映えしない孤独な日々の連続。。。などなど患者のストレス要因は枚挙にいとまがない。

本稿は、数か月の入院を何度も繰り返している筆者が感じた、入院生活を送るにあたりいかにストレスを溜めずに過ごすかをまとめたものである。なお、これは筆者のただの持論であるため、むしろストレスが溜まった!などの苦情は一切受け付けない。

その1.見舞いはガンガン呼べ!

長期入院での最大の敵は孤独である。これまで毎日のように会っていた学校や職場の仲間と会うことがなくなり自分を取り巻く状況は入院前と一変する。普段関わる人はナースくらいになる。こうした状況において、SNSやLINEを活用して自分が入院したことを周囲に知らせることを奨める。そして大事なのは見舞いに来てほしい旨を一言添えることだ。周囲の人は患者の状況が分からぬため見舞いに行って良いものか躊躇するものだ。筆者はこの方法で多くの見舞い客に恵まれた。よく連絡をとっていた友人に会えただけでなく、もう会うことはないのではと思っていた人とも数年ぶりに再会するよい機会ともなった。
孤独は、自分で動いて解消できる。もちろん、わざわざ病院まで来てくれ人への感謝は忘れない。

その2.病院の人と仲良くなれ!

面会で孤独を紛らせられるといっても、多くは土日だけであったりする。結局、普段は1人カーテンの檻に入れられたままである。孤独によるストレスを溜めないためには感じのよさそうなナースを見つけて話し相手になってもらうのが得策である。ナースによっては患者の表情を読み取ってわざわざ時間を作って病室まで話を聞きに来てくれる者もいる。また、他の患者とコミュニケーションをとるのも良いだろう。患者同士の会話は異様な盛り上がりを見せるのが常だ。同じ病棟の患者ならば似たような病状を抱えていることが多い。互いの病気について話せば、共感することが多くあるだろう。筆者に至っては、知らないおばちゃんやおじいさんと知り合って、よくデイルームで何時間もだべっていたものだ。退院した後もまだ交流がある。秋田出身のおじいさんがきりたんぽ鍋をごちそうしてくれるらしいがまだそれは叶っていない。

その3.患者は図々しくあれ 

入院生活の中で不満なことはいくらでもある。ナースコールを押してもナースが全然来なかったり、採血や点滴でミスをされたり、隣の患者がうるさかったり、夜眠れなかったりと様々である。
日々不満なことはナースに伝え改善を図ることもストレスを溜めないための取り組みの1つである。筆者は不眠を訴えて、夜の点滴を昼間にずらしてもらったり眠剤の量を調整してもらったりした。食事についても、止めていたはずの食事が出てきてしまったことが何度もあり、その都度その旨を訴えて食事代はかからないよう修正手続きを何度も行った。筆者はやったことがないが、気に入らないナースがいれば自分にあてないでくれと苦情を言うくらいの図々しさがあってもいいと思う。患者は、基本我慢しないというのが筆者の持論である。

その4.不明点は医者に何度でも聞け

入院生活において、患者が一番気になるのはやはり自身の病状である。この理解度によって日々の患者の不安感は全く異なる。まずある程度自身の病気についてネット等で勉強することが大事だ。この時、元患者の体験談ブログのようなサイトを読むことはお勧めできない。信用の足りそうな医療機関や組織のサイトを参照するとよい。そこで収集した情報を自身の病状に照らし合わせて不明点を洗い出す。その不明点を理解できるまで何度でも医者に聞くのである。筆者は点滴の1つ1つから採血結果の隅々までよく質問したしそれで自身の身体についての理解が深まり不安を解消することができた。

以上のようなポイントを押さえて入院生活を送ることで辛い入院生活も少しはマシになるという体験談である(その4で体験談を読むなと言っておきながら体験談を書いている筆者←)。




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