夏の日
あなたは思い出すことあるのかな?
呼吸ができないほどの空気の重さ
波しぶきと風が砕いてくれたあの日
近くにいるのに声が届かない
何度も聞き返したら
なんでもないのに可笑しくて
大笑いしたら、口の中がしょっぱくなった
大笑いしながら
冷たい水に飛び込んでみた
体全体がしょっぱくなった
体中にザラザラとへばりついた砂の粒が
さらさらと溶けていく
痛いような
痒いような
足の裏に着いた砂粒を波がつれていく
くすぐったくて大笑い
口の中がまたしょっぱくなる
あなたがいなくなった
揃った四角の中にいると
私は忘れてしまいそうになる
けれど
たしかにあった
暑苦しい
呼吸できない程の空気の重さと
しょっぱい夏の日
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