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お義父さんの仕事理論に救われる
――この部署、一日一日が忙しすぎる。
編集部から営業部に異動して、早くも4ヶ月。
仕事や雰囲気には慣れてきたけれど、まだまだわからないことや出来ないことも多い。
ミスでお客さんをめちゃくちゃ怒らせてしまい、営業マンを片道車で3時間の他県まで急遽謝罪に走らせたこともある。私のミスなのに。
落ち込んだり、やりがいを見いだしたり、沈む→浮上するの繰り返し。
編集部の大変さは、「受験勉強的大変さ」。
自分で何をどう進めるかは決められるけれど、「ホントに終わんのかコレ」「間違いがあったらどうしよう」と、ずーーーーーーっと心にプレッシャーやら不安やら、負荷がかかり続ける。
校了日近いと、なんか常に吐き気してる。
営業部の大変さは、「部活的大変さ」。
一日が終われば、すぱっと仕事はおしまい。
だが、一日がめちゃくちゃハード。
忙しくなるのか平和に過ぎていくのかは、その日の状況次第。
電話はめちゃくちゃ鳴るし、毎時間訪れるデータ入力の締めに追われ、その合間に自分の仕事も捌きつつ、緊急の事態にも対応する。
そして、これらは全て一日で完了されなければならない。
この「部活的大変さ」に、未だに振り回されている。
正直ここ数週間は、ホントに忙しくて。
私のポンコツな処理能力では時間が足りず、朝早く行く&昼休み返上で仕事する(ご飯片手で食べながらひたすら某かの作業を進める。バナナ超便利。もしくはご飯抜きでぶっ通し)、それでも終わらなくて残業。
残業していると、「早く帰れよ」とやんわり上司に言われる。
私だって一刻も早く帰りてぇわ!!!
ドラクエやりてぇわ!!!
カミュ(推し)に癒されてぇわ!!!
と心で大暴れしつつなんとか仕事を終わらせて(終わらんこともある)、帰宅したらもう疲れきってしまい、ドラクエもやれずソファに倒れ込む日々。
…という話を、今日訪れた義実家でしたら。※ドラクエのくだりは流石に恥ずかしすぎて言ってない
ホント、笑い話のつもりだったのだが。
お義父さんもお義母さんもとても心配してくださり、お義母さんに至っては、
「こんな苦労をかけるなんて、会社に殴り込みに行かないといけないわね」
なんて、穏やかな声音でなかなかに物騒なことをおっしゃっていた。
お義父さんは、静かな声で、こうアドバイスしてくださった。
「まずは、簡単に済むものをすぐに手放して、数をとにかく減らすこと」
「自分の手に余るものは、周りにも振ること。その時、『それは自分の担当じゃない』と言ってくる人もいるかもしれない。しかし、仕事というのは、本来は個人のものではなく、『会社の仕事』。たまたま『担当』というものがあてがわれているだけなのだから、本来は全員で対処し、問題なく進められるようにしなければならない」
幸い、私の周りは頼れる先輩だらけで、「あああ無理だああこのままじゃ終わんねぇよおお」となっていると、ぱぱっと私の仕事を半分請け負ってくださったりする優しい人々だ。
…それが、申し訳なさすぎて。
と話したら。
「それでいいんだよ、仕事はみんなで進めるものなのだから。無理しないでね」
とおっしゃってくださった。
このお義父さんの一言は、「担当分の仕事は、担当がきっちりこなすべき」と考えていた夫にも気づきを与えたようで、
「俺に足りないのは、そういう考え方だなあ」と帰りの車で話していた。
お義父さんに、「社会人の先輩」を感じて、心が震えた。
月曜日めちゃくちゃ憂鬱だけれども、少し前向きになれそうだ。
とりあえず、お義母さんが大量に持たせてくださった炊き込みご飯のおにぎりを持って、お昼休みはちゃんと食べようと思う。
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