不幸は人間を強くしない
辛い目に遭った時、それをばねにして前に進める人間は強い。少ない。
僕なんかは嫌なことを見ると成長するどころかますます萎えてしまう。成長するどころかより内側に閉じこもって、薄暗くなる。
僕は自分より他人が悪いと思う性格だ。回りの人間にはそういう配慮が欠けてるとばかり思ってしまう。
非難されて当然だ。けれど叱られたり嫌な気持ちになると脳が歪むそうな。そうなると自分に対する自信も、判断力も損なわれてしまう。くしゃくしゃの紙が戻らないのと同じで、二度と元に戻らないのだ。
人間はみんな命がけで生きてる。いつ死んでもおかしくない環境に生きてる。それならなぜ冒険なんてする必要がある? 自分から危険に身を晒すのか? まして人が押しつけた災難に学ぶべきものが?
「苦労が人間を強くする」などという言葉は意味を持たない。なぜならそれは自分が請負った苦労だから。だが僕なんていつも向こうから苦労が来る有様なのだ!
こんな世界にそれでも行続けなきゃいけない……という重圧感の元に今日も抑えることのできない鬱屈。嫌な気持ちを引きずったまま今日も前を視て生きるだけ。
一体誰に僕を変えることができる。僕は要するに自分に心地いい世界を維持し続けているだけだ。そんな負の感情が支配する、薄暗いところが心地いいのか? けど、人間は行動しない事実に対する口実としてそんな怨念に身を縛りつけるのである。なおさら、救いようがないと思わないか?
ああ、でも頭の中で悩んでたってそれは意味がないんだ。
その怨念に何の意味がある?
人は常に変わらなきゃいけない。変わり続けられない人間はますます衰えて行く。
今まで沢山傷ついてきた。でもそれを言訳にしちゃだめなんだな。何かしなきゃもっと自分を追込むから。
これまでの行動でそんな悩みに抗わなきゃいけない……!
過去に対する恨みで今を生きる支障を作り出すな……!