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江童短歌帖

78
今まで投稿した短歌をここにまとめる。
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記事一覧

月の国いかにも攻めてかぐや姫
つかまへばやと意気込む世なり

鱈井元衡
3年前
3

許さぬも許すも今は問ひかけじありしことには惑はずやある

心にてつながれりとも山川の
隔てあるにはつゆ違はぬか

去りがたき思ひはしひて放つまじ
この報ひみな忍びて絶たむ

鱈井元衡
3年前
6

日頃より交はしなれにし言ならば
かの一言は千度言はまし

この世みなえうなきものに見えぬれば
たふとかるべき思ひ出もなし

汗にじむ肌をつねりて指にすり
鼻にてかげばえならぬ匂ひ
#短歌 #tanka

えうなし(ク)…役に立たない。

鱈井元衡
4年前
1

形よき身にしあらねば過ちを
人叱る時ためらはぬなり

誰がための幻ならむ人ごとに
良きことなせと言ひし掟は

夕暮れの闇たりしばしある暇
昼寝につとめ忘れてのちも
#短歌 #tanka

鱈井元衡
4年前
3

あなわびしかくて過ぐべき日にあらで
このつれづれをもてあそぶかな

歌詠むをいかで易しと思ひけむ
千万の言みな異なりや

息したる時やわかちて縮むべき
命はからば道をそむかむ
#短歌 #tanka

鱈井元衡
4年前
1

「歴史」
針ならで人まためぐり刻むこそ
絶えず読まるるこの語り草

弱りにきすべき方なきこと多み
つれづれを良くすぐす時なし

新歴史創造装置稼働中
可変精神浄化完了

耐へ忍び多く許すは優しさに
あらでまことの罪待てばなり

多み…多いので。
つれづれ(名)…退屈なこと。

鱈井元衡
4年前
1

移ろへば心も他へ移るなり 捨てがたしとは思ひさだめじ 行く人のためには墓に刻まなむ わがごとくなれ称ふるよりは 罪なくて辛き目見るとののしりて 哀れ増すよりまさる悦なし おどろきて目さむるいまだなき我に まことにあしき夢なほなしや ののしる(四段)…騒ぐ。

さばかりの情を誰も持つなれば
清げめきたる心えうなし

かかる日と嘆きけむ声流れ来ぬ
のどかにすごき物理法則

関はらぬ我が悲しみを言ひ立てて
世を罪すればげに疎ましき

月めでて心慰む民は今
長き灯りに一人わづらふ

えうなし(ク)…役に立たない。
すごき(ク)…荒々しい。

鱈井元衡
4年前
1

まどかなる月のあかきを見るにつけ
挑まぬ日々の多かる嘆く

心なきことに心はかき曇り
知らずまだ来ぬ憎しみ備ふ

あなたなる楽しき郷に着ける人
心地よかれと友切り捨てむ

いづくにもありてなき身の心地せる
心にあはれたづぬまじくや

鱈井元衡
4年前
1

知らぬこといかで知らばや尽きせぬは
知りたきことにただ限れども

あぢきなくおぼえで物を見たきままに
学ぶ愚かさ我え笑はず
#短歌 #tanka

いかで知らばや…なんとでも知りたい。

鱈井元衡
4年前
4

我が身にはあまる命のはかなさや
忘られぬるははや恐れねど

とにかくに我が身にあまる命かな
かたければこそめでたくならめ
#短歌 #tanka

わする(四段)…意図的に忘れる。

鱈井元衡
4年前
5

先見えぬ世なればいとど楽しとは
言ふまじきこのうつつ知れかし

情けなき世のことわりに酔ひ果てば
恋しかるべき人も失せなむ
#短歌 #tanka

鱈井元衡
4年前
2

ありし日に帰るあたはで濡らす袖
持つは昔のいち早さかな

悲しみに楽しみまさる世なりせば
ここら狂へる人見ざらまし

木と石と近き時なき人なれば
心地まどひて死を選ぶなり
#tanka #短歌

鱈井元衡
4年前
3

世に広く交はればその狭きこと 同じき人の少なきを知る 楽しみもやうやく盛り失へば そこはかとなく物ぞ悲しき #短歌 #tanka