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女心

酒と夢を抱きながら道路で寝ていたあの頃。付き合っていた彼女がいる。振られて6年くらい経つが、彼女に言われた一言が未だに忘れられない。ねちねちしていて女々しくて自分でも気持ちが悪いが忘れられない。たまに思い出しては、あの言葉にどういった意味が込められていたのか。どんな気持ちで伝えたのか。ぐるぐるぐるぐる考える。

「あなたは一人じゃ生きていけないと思う」

六畳一間の部屋にある小さな小さな玄関。サンダルを履き終えた彼女に真っ直ぐな目で言われた。言葉がすぐに染み込んだのを覚えてる。わかる。わかります。そうだね。その通りだ。私は一人では生きていけません。振られたショックで思考がうまく働いていないミジンコ野郎は納得する事しかできなかった。3日。1週間。1年。時が経つにつれて徐々に理解していく。理解?いや、できていないだろう。しているつもり。だな。

まず、先の言葉は本来俺が放つべきではないか?振られた側が言う言葉じゃないのこれ。間違ってます?いや別に怒ってるとかそういうのじゃないのよ。おかしいよなぁって話。

僕と別れるんだね。
そうか。
でも、君はひとりじゃ生きていけないと思うよ。
僕なしじゃあ生きていけないと思うけどねぇ!!

じゃないの?え、違う?本来こうだよね?

ごめん。別れて。
あなたは一人じゃ生きていけないと思う。

滅茶苦茶じゃないか。死体をもう一度殺しにいってるじゃないか。崖から突き落として更に銃を撃ちつけてくるなよ。

こう思っている者がいる筈。

浮気とかしたんじゃないの?
なんか酷い事したんでしょ。
殴ってたな、お前。

馬鹿野郎が。紳士さで言ったらサンジより俺の方が上だからな。覚えておけ。
振られた理由は至ってシンプル。あなたとの将来が見えない。計画性が無さすぎる。ついていけない。こんな感じだ。書きながら泣いている。

最後の優しさだったのかな。

最近はそう思えてきた。思うようにしている。
そんなしょうもない生き方してたら本当に独りになるよ。決して強い人間ではないんだから。人から見捨てられないようになりなよ。
そう言いたかったのではないだろうか。崖から突き落としてそう呟いたのではないだろうか。つくづく情けの無い話だな。書きながら泣いている。


6年以上経つが未だに忘れられない一言。
たまに顔を出してくる。
もうそろそろお別れしたい。
何度考えても答えはわからないし。
なによりしんどい。
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