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骨髄ドナーになった話(その他あれこれ)

骨髄ドナーとして骨髄提供しましたが、その過程であったあれこれ。



1.ドナー休暇制度について

上司には適合通知が来た時点で「もしかしたら骨髄提供するかもしれません」と伝えました。
その際、自分なりに会社の休暇制度について調べましたが、ドナー休暇制度はないものの、ボランティア休暇がありました。
骨髄ドナーについてネットで色々調べていたら、わりとこのボランティア休暇が適用されてる例が沢山出てきたので、上司にボランティア休暇を使わせて欲しいことも相談しました。
これが採取の約4ヶ月前です。

しかし、会社からの返答は驚くべきものでした。
『ボランティア休暇の適用外なので、有休を使うように』
ボランティア以外の何物でもない、証明書だって出る、どうしてもその人じゃないとダメなボランティアなのに適用できないという返答でした。
あくまで大災害のあった被災地にいくなど、そういうケースしか想定してないとのこと。
直属の上司はとても納得できないと、会社の担当部署と何度も掛け合ってくれましたが、結果はかわりませんでした。
私は、ドナー登録したときに休暇制度についてしっかり調べなかった自分を恨みました。
もっと早く当事者意識を持っていれば、もしかしたら制度を変えられたかもしれません。

私はこれからも会社に対してドナー休暇制度を取り入れるよう、訴え続けます。
私がもし、2回目の骨髄ドナーになることがあれば、そのときはこの制度を使えるように。


2.ドナーになること

私の職場には、白血病でご家族を亡くされた方がいました。
私がドナー適合通知をもらったと話したらとっても喜んで、励ましてくれました。
ボランティア休暇が取れずに有休になったときも、一緒になって悔し涙を流してくれました。
私が採取のために入院する前、上司と「移植しても助からない人もいる。どうか助かって欲しい」という話をしていたら、この方が「ドナーが見つかって、ドナーが提供の意志を示してくれるだけで、患者さんやその家族はほんとに救われる。ドナーは患者さんだけじゃなくて、周りの人もみんな救ってるんだよ。本当にありがとう」と言ってくださいました。退院後も涙ながらに迎えてくれたのを覚えています。
また、職場の先輩が、自身の子供も骨髄移植で助かったとこっそり話してくれました。
自分は怖くてドナー登録できなかったから、ほんとにすごいと思う……と気持ちを話してくれました。

きっかけは何であれ、誰かの希望になれるって本当に素敵なことだと思います。
ただ、私は退院後、患者さんがどうされてるのかがとても気にかかり、少し情緒不安定にさえなりました。
自分の好奇心を満たすことがきっかけでやったことなのに、ここまで患者さんのことを気にかけている自分が意外でした。
あまり引きずり込まれないように、ある程度割り切れる人の方がドナーとしてはいいんじゃないかなと思いました。
あとは、ほんとに毎回、そして入院中は毎日採血があるので苦手な人はしんどいなぁと思いましたね。
献血がきっかけの人が多いからあまりいなさそうではあるけど。


3.入院の持ち物

入院に持って行って良かったものはこちら

・タブレット
・ふりかけ
・ボディシート、ドライシャンプー
・ジョガーパンツ
・水筒

タブレットは動画配信見たり電子書籍を読んだり、入院中のひまつぶしには欠かせませんでした。
ふりかけは、病院食は薄味なのでご飯にかけると満足感がアップします!
ボディシートとドライシャンプーは採取日にお風呂入れないので役立ちました。
ジョガーパンツは裾が絞ってあるので、病院の床やトイレの床に触れることがなく、ベッドに上がってもあまり気にならなくて良かったです。
水筒は、お茶をいちいちコップでもらいにいくのが面倒なのでこれにお茶を入れて冷蔵庫へ保存してました。

それと、持っていかなくて大後悔したものがあります。

耳栓とアイマスクです!!

看護士さんの見回りが気になりすぎて本当に寝られなくて……
これだけは次回何かで入院する際、絶対に持っていくと決めています!


4.助成金と保険金、それで買ったもの

自治体からの助成金ですが、骨髄提供すると私の住んでいるところは採取に関する通院や入院の日数×2万円、最大14万円が出ました。
あとは加入していた入院保険から10万円もらえました。

せっかくだから、骨髄提供したことを思い出せるような物がほしいと思い、骨髄採取した月の誕生石がついたイヤリングを買いました。
入院前に「みんな生きている」という骨髄移植がテーマの映画をみました。
患者側、ドナー側どちら側からも骨髄移植が描かれており、採取シーンもリアルなのでおすすめです。
この中で、患者さんにとって移植した日は第二の誕生日だと言っていて、それがとても印象的でした。
それが、誕生石のアクセサリーを選んだ理由です。
ちなみにイヤリングを買いに行った時、ピアスを開けないのか店員さんに聞かれて「いやいや!耳に穴あけるなんて!!怖いですって!」と言いましたが、腰に穴開けてる人が言うことでは無いよなと思ったり……
このイヤリングは私の宝物です。


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