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『咏泉返し』感想。ぞわぞわ来る小説版8番ライクゲーム

2024年8月のunity1weekで公開された、本をめくり異変を見つけたら引き返すゲーム『咏泉返し』が大変面白かったです。
作中の本で「振り返るな」と言われる余り、思わず現実世界の後ろにも何かいるような気になって振り返りたくなりました(そして怖いので振り返れない)

恐怖感

異変を発見するということがメインのゲームシステムであるため、間違い探し以上の体験を与える仕掛けとして恐怖感が必要だと思うのですが、最小限のリソースながら素晴らしく表現されていたと思います。
・薄暗くちらつく画面エフェクト
・文字が読める最低限の暗さ
・本に書かれている内容と現実がリンクする、書かれた物語がリアルを侵食していくあの感じ
・蝉の声が特定のページでパツっと切れる
・異変の数々
 -詳細はネタバレになるので割愛

8番リスペクト

8番出口に存在する機能の数々が、忠実かつゲームに合った形で実装されていたと思います。
・戻るか進むかの選択が正解だったか、表表紙によりわかる
・何連続で正解しているか、最初のページで分かる
・クリア後、残りの異変が何個か分かる
・表現がリアル
 - ニスが塗られたような机の光沢と、光源の照り返し
 - ざらざらとしたさわり心地が伝わってきそうな本の質感。その上に乗る文字。

ディテール

unity1weekという建付けから来る制限に対して、上手くチューニングがされていました。
・想定の解像度でプレイしてもらうため、サイズを選択するまでゲームが始まらないようにする(そしてフルスクリーンが推奨されている)
・お題『かえす』を8番出口のメインギミックに加え「振り返るな」という印象的なワードで二重に回収
・舞台が夏なので没入感が高まる
・(unity1week関係ないですが)異変の先の物語がちゃんと読める

無料で短めのゲームなので、是非遊んでみてください!

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