揺れ恐怖症のセラピーに通い始めたので、経過など記していきたいと思う。

揺れ恐怖症。

高所や暗所、狭所、集合や先端、男根などなど、恐怖症にもいろいろあれど、揺れ恐怖症とはあまり聞かないですよね。

その名のとおり、揺れるものが怖いのです。
とてつもなく。

ブランコなどがその代表で、振り子時計やペンデュラムなど振り子状に揺れるもの全般、さらにはハンモックやモビール、ロッキングチェアなどなど、とにかく揺れるものがすべて苦手です。

苦手というマイルドな表現をしてしまったけれど、ちらりと目にしただけでパニック症状が出ます。心臓バクバク、過呼吸、冷や汗、大声をあげて逃げたくなる衝動。

こじゃれた飲食店の、天井からつーと紐で吊るされた電飾。
あれ、地獄です。
一瞬たりとも視界に入ったら、パニックになってしまうので、同行者がいても無言で外に出なければなりません。

揺れるもの、世の中のいたるところにあふれています。

なるべく避けるように努力していても、どうしても視界に入ってしまう。

そんな時、無言で耐えるしかなくて、様子のおかしい私に気づいて同行者に「どうしたの?」と問われても、パニック中は説明することすら難しいのです。


かといって、平時に「私、揺れ恐怖症なんです」と告白するのも、これまた難しく……。

揺れ恐怖症という言葉自体に馴染みがないので、細かく説明しなければならず、それ自体が苦痛になってきます。揺れるものを見るだけでなく、頭に思い描くだけでも恐怖が襲ってくるので。

そもそも、本来、揺れるものに害があるわけではないので、「なぜ揺れるものが怖いのか?」というのが理解されづらかったりします。

されづらかったりしますというか、まず理解されないですよね。
これが恐怖症の二次的な難しさだと思います。

これは人によると思いますが、「へーそうなんだ」とすんなり受け入れられる人と、「なんで?なんでこわいの?どうして??」と疑問を持ってしまい受け入れづらい人の2パターンいると思っていて、

とくに後者の人は、関係性が親しいと、思いやりから次第に「それ治らないの?いままで治そうと努力したの?」となっていき、

「治らないのは努力が足りないからじゃないの?」

「気のせいだよ、大したことないよ、気にするからどんどん怖くなるんだよ」

といった発言が出てきます。

これ、一見すると無神経な発言のように聞こえるけれど、そうじゃなくて、大切な人が恐怖症に苦しむ姿に耐えかねてしまうんですよね。


もちろん、精神科、心療内科、行きました。
セラピー、受けました。
催眠療法も、受けました。

どれも効果はイマイチでした。


インターネットというものが一般化してからは、揺れ恐怖症を持つ人が私以外にもいることを知ることができ、ちょっと(本当にほんのちょっと)心が軽くなりましたが、

心療内科や精神科で相談しても、はあ、めずらしいね〜、と言われるようなありさまでした。で、お薬ポーン、みたいな。

薬で恐怖心が多少は落ち着くけれど、体がだるくなって使い物にならなくなるし、そもそも恐怖症自体が消えるわけではありません。

20代前半で、もう病院に頼るのはやめました。意味がないので。
通院の歴史については、いずれ時間があればおいおい記していきたいと思います。


そんなこんなで、揺れ恐怖症は治らない、一生付き合っていくしかないと諦めていましたが、

昨年出産し、子どもができてから、さらなる壁にぶち当たりました。

子どものまわりには、揺れるものがいっぱい。
避けようがないのです。

赤ちゃんのおもちゃって、たいがい揺れます。
そういうもの、我が家には一切置けません。

でも、家になくても、保育所や公園、お友達の家には、ある。

私一人なら、揺れるものを一生避けてもいいけれど、子どもにまでその負担を強いたくない。私の都合で、子どもが行けない場所を作りたくない。

どうしたものか……。

ちょうど産後うつの気配もあったので、育児カウンセラーに相談したところ、恐怖症専門医につないでくれました。

恐怖症専門のドクターがいる、ということが、ちょっと驚き。
よく考えれば、いても全然おかしくないのですが。
日本で受けた精神医療にとても限界を感じていたので、この20年は専門医を探すことすらしていませんでした。

人気なのか、なかなか予約が取れず、やっと取れたのが2ヶ月後。

最初と2回めのセッションは、インテイクアセスメント。
私の症状と対策をさぐるための、質問に答えるだけの時間。

2回めのセッションの終わりに、「じゃあ次回から具体的な対策に移りましょう」と言われ、

「私の所見では、あなたの恐怖症はかなり高い確率で克服できると思います」

と。

え?克服?うそ??

プリティマッチシュアーと???


信じられない……。
治るのか、揺れ恐怖症。

治るんだ!!!!!


ただし、とドクター。

「かなり頑張って努力する必要があります。その過程はつらいと思います。でも、高確率で克服できます」


やりますとも、がんまりますとも、治るならば!!!!!


と、ここまでが先週のセッションでの出来事。

40年近く苦しんできた揺れ恐怖症が克服できるなんて、にわかに信じがたいけれど、でも力強く治ると言ってくれたドクターの希望の言葉を信じたい。

自分を鼓舞するために、そして冷静に客観視するためにも、克服の過程をこのブログに残していきたいと思います。

5ヶ月の赤ちゃん育児の合間のなぐり書きなので、乱文で読みづらいと思いますが、

もし同じような症状で悩んでいる方がいたら、少しでも希望になるかなとも思うので。



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