冬のこと

規則的な電子音が鳴る

いつでも心地良いのは柔軟剤
泳ぎきって壁にへばりついた洗濯物

冷たく濡れて生気を失った衣類をからだに抱きしめ、まだ大丈夫と冬のベランダに出た。鼻から空気が流れ込み、この時季特有の、匂いの中にいる孤独が精神を突き刺す。
季節が移るにはあと何回、凍える手を数えるのか。大丈夫、君はまだ生きている。また乾いたら、

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